五十嵐亮太投手インタビュー「向上心を持つことにプロセスはない」

2009年12月26日 記事の公開日時 10:53 pm

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五十嵐亮太投手インタビュー「向上心を持つことにプロセスはない」
 
 

2009年、FA宣言からついにメジャーリーグへの移籍を発表した五十嵐投手。12月には、ニューヨーク・メッツと2年総額300万ドル(約2億7000万円)で正式契約を交わし、今日本球界で最も話題の投手と言ってよいだろう。158km/sの日本人最速記録を持ち、セットアッパーとしての確固たる実績と親しみやすいキャラクター、そして甘いマスクからも高い人気を得ている五十嵐投手の、米国での今後の活躍が、ますます見逃せない。
マグネットプレスでは、五十嵐投手の野球との出会いから、プロ入りした際のエピソードや「プロ」と「アマ」の違い、「速球派」としてのプレースタイル、またシーズン中とオフの過ごし方や「一流」の違いまで、盛りだくさんの内容のインタビューをお届けする。そしてもちろん、学生に向けての力強いメッセージも。次のステージを見つめていた五十嵐投手の目は、本物だった。それぞれの目で、確かめて欲しい。
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野球との出会い、そしてプロへ。

igaras_talk02s 野球を始めたのは、小学校1年の時に町内会の少年野球に誘われたのがきっかけです。最初は外野で、小学校はキャッチャーとピッチャー、中学校3年間はファーストでした。プロを意識したのは高校2年の春。相手チームにいたプロ注目のバッターと対戦したときに良いピッチングをしてスカウトに注目されるようになってからですね。
プロ入りに関しては、とりあえず「入りたい!」という気持ちが強かった。入ったら入ったで、「もっと活躍したい」とか欲が出て来て(笑)。

「プロ」と「アマ」

igaras_talk03s プロとアマでは、やっぱりプロの方がレベルが高いと思うし、なおかつプロではズバ抜けた長所を持つ選手がいたりします。驚くほど足が速いとか。そういう長所が1つ2つあれば、プロでもそこそこ出来ると思うんですよ。
アマの気になる選手といえば、やっぱり早稲田大学の斎藤投手です。頑張ってプロに来てほしいですね。

「速球派」としてのプレースタイル

速球に対してはもちろんこだわりがあります。自分の中でも長所だと思ってますし、伸ばし続けたいという気持ちはずっと持ってやってます。けど、プレースタイルは年を経るごとに若干変わっていますよ。前に比べて変化球も増えてますし、全てを力で押すということもなくなってきてるので。

日本球界の最速記録は、右腕がマーク・クルーン投手(2008年・巨人)の162km/s、そして左腕が伊良部秀輝投手(1993年・ロッテ)と山口和男投手(2002年・オリックス)、五十嵐亮太投手(2004年・ヤクルト)の158km/sとなっており、その記録は2009年現在も破られていない。

日本球界における最速記録は外国人投手のマーク・クルーン投手(2008年・巨人)が記録した162km/sだが、日本人では伊良部秀輝投手(1993年・ロッテ)と山口和男投手(2002年・オリックス)、五十嵐亮太投手(2004年・ヤクルト)の158km/sとなっており、五十嵐選手の日本人記録は2009年現在も破られていない。


ただ、マイナーチェンジは毎年のように少しづつしてるんですが、自分のスタイルはやっぱり変えられないし、変えたところでそう簡単に抑えられるような世界ではないので。やっぱり柔軟に対応するのが一番なんじゃないですかね。
フォームに関しては、他の選手のフォームも一通り見ました。でも、やっぱり野球選手って感覚の部分が結構大きいんですよね。人の投げるフォームを参考にするというより、色々実践していって試行錯誤を続けるうちに良くなった感じです。今ももっと良くなる方法があるんじゃないかとか思ってやってるし、ダメな時はどうやって修正していくかって考えてやってるので。四六時中考えてますよ。それで気付いたらメモして。毎日その繰り返しですね。

シーズン中の過ごし方とオフの過ごし方

igaras_jingu01s シーズン中常にいい状態でいられることってなかなか無いんです。中盤になって1回疲れがどっと出てきたりもするので、そこでいかに工夫して抑えられるかが「一流」と「そうじゃない人」の違いだと思いますね。疲れてくると、実際体が思うように動かなくなってくるので、本当に疲れを取るためにどうするかなんです。睡眠時間や栄養面とか、そういう面でカバーするしかないですね。ひたすら疲れをとりたいと考えてます。
あと、自分みたいに『中継ぎ』だと、投げない日にカロリー結構摂取しちゃうと太るんですよ。だから体重って言うのは常に意識してますね。朝、必ず体重計ってウエートコントロールはしています。
それでシーズンが終わったら、まずしっかり疲れをとること。そこをまず第一に考えます。それで少し休んだら日本には秋季キャンプがあるので、11月の頭から半ばまで練習をして、そこでちょっと休んでまた練習、ってなりますね。来年への体作りということで、比較的練習はずっと続けています。

「一流」の違い

プロに入る人の中で、ポテンシャルの違いっていうのはそんなにないと思うんです。ある程度ポテンシャルが高い人で上に来れなかったり、そのまま終わっちゃうっていうのは、考え方が間違ってるというか、意識の問題なんでしょうね。大事なのはやっぱり、「他人のいいところに気付くこと」だと思うんですよ。良い選手を見て自分がどう気付くかっていうのがスゴイ大事なので、どうしたらうまくなるかな、って考える力があれば良い選手になれると思いますね。
1番ダメなのが、情報を色々と入れちゃってゴチャゴチャになること。良い部分だけをちゃんと吸収できれば良いけど、うまく吸収できなくて他もどんどん崩れていくのはダメですね。
あと、これは野球に限らず言える事なのですが、「常に向上心を持つ」ことも大切かな。向上心を持つことにプロセスはないと思うんです。

学生に向けて

igaras_talk05s 練習をやる習慣をつけといたほうが良いですね。「仕方ないけどやっとくか」でも習慣だと思うし。その違いですよね。出来るか出来ないかって言うのは。練習出来る癖、それが大事ですね。あとちゃんと考えることも大事です。
(文・土屋 順紀)
「MAG!」Special Interview 2009年秋冬号より

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