丸山和也氏インタビュー「絶望のススメ」

2009年7月11日 記事の公開日時 11:00 am

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丸山和也氏インタビュー「絶望のススメ」
 
 

 あの「行列のできる法律裁判所」(日本テレビ)で一斉を風靡し、現在国会議員として活躍しておられる「丸山弁護士」へインタビューに行ってきました!MAG!本誌に掲載した記事よりも長い、ロングバージョンでお届けします。

Ⅰ 「早稲田大学」での学生、丸山

――早稲田大学法学部へ入学されてからの大学生活を教えて頂いてよろしいですか?

丸山弁護士

丸山氏:まぁ、大きく分けると前半二年間と後半二年間で大きく変わったかな。最初の二年間はいわゆる普通の学生でしたね。入学当時は学園紛争が激しい時期で、学費値上げ反対等の運動に(早稲田大学の)全学部が巻き込まれてね。授業がない日が何ヶ月も続いて、かなり騒がしい、ザワザワした学園生活でした。だから、学校へ行っても授業は無いし、ちょっと覗きに行く程度な生活で(笑)そしたらあっという間に一年が過ぎてしまいました。

 三年生になった頃から、「これじゃいかんなぁ」と思って、友達に誘われたのをきっかけに司法試験の勉強をやるようになったんです。そこからは目的がハッキリしたんだけど、大学はあまり関係の無い、独習スタイルの勉強だったから、場所だけ大学を借りているって感じだったね(笑)

――著作の中で「司法試験を目指したのは友人にそそのかされて」とありました。

丸山氏:そうです(笑)一緒に下宿したり生活を共にして、絆ができあがっていたから、同じ目標を目指すという行為への思いが強かったんだろーね。だから、『弁護士』という職業に特別な思い入れは全然無かった(笑)イメージも全然無かったし。やっぱり友人との繋がりがあったからとしか言いようがないね。

――そのご友人は司法試験は合格されたのでしょうか?

丸山氏:してないね(笑)

――(一同笑い)

丸山氏:そいつは早々と辞めちゃってね。だから騙されたって(笑)

――現在は参議院議員としてご活躍されておりますが、学生時代から例えば『雄弁会』といった政治系サークルには所属されなかったのですか?

丸山氏:あーいうのには全く興味無かったね。まぁ雄弁会は当時も大きく活動していて、そこから政治家を目指す人もたくさんいたけど、あんまりそういう仰々しい事は好きじゃなくて、関心なかったね。僕は法学部だったでしょ?だから女子生徒が少なくってね(笑)文学部とか女子が固まるサークルがいいと思って(笑)

――どちらのサークルに?(笑)

丸山氏:『レッケン』っていう『歴史研究会』ね。そこは政治に興味が強い人が多いサークルでね、やや左翼系だったかな。具体的な政治運動をする事は無いんだけど、当時の情勢を批判的な目線で見ている人が多かった。やっぱり歴史を勉強していると、そういう目線になりやすいんだね。あんまり楽しいサークルではなかったかな(笑)

――学生生活は楽しかったですか?

丸山氏:他の大学は知らないけど、自分には向いてる大学だと思いましたね。全国的知名度があるから全国から学生が来るって事があるし、何より気風がね、やや野性的というか、バンカラというか、そういのが好きだった。

――丸山先生をテレビで拝見していると、『慶応大学』よりも『早稲田大学』といった印象を受けます(笑)

丸山氏:そうそう、『慶応大学』からは講演依頼が全くこないよ(笑)。

Ⅱ、弁護士へ

丸山弁護士

――丸山先生は大学卒業後に『法務省』へ入られてますが、上級職試験受験はいつ頃から考えていたのですか?

丸山氏:四年生の時に司法試験とかけもちで上級職試験も受けたんだよ。当時は司法試験の合格率が低くって、2%強しかなかった。なかなか難しいなって気持ちがあったから、飯の食い扶持の為に保険って感じでの受験だったね。

――では、上級職試験の勉強はどのようにされたのですか?

丸山氏:あんまり勉強しなかったかな。結構司法試験と似ていたんだよね。だから、幸いにも受かっちゃって、法務省へ入ったら、その年に司法試験に合格したから、結局役所へは一年しかいなかったね。

――法務省の職場の空気はどうでしたか?

丸山氏:やっぱり役所だよね。変わった役所だけど。まぁ、司法試験の勉強に法務省が合ってるから程度の気持ちで入ってたしね。

――そのまま法務省内でキャリアをのぼるというお気持ちはなかったのでしょうか?

丸山氏:やっぱ向いてないだろうなって思ったね(笑)お役所仕事は好きじゃなかった。親なんかは合格するかわからない司法試験なんて辞めて、将来安泰な役所でそのまま働く事を希望していたけど。ただ、面白くないって感じちゃったんだよね。だから安定志向じゃないんだろうな。やっぱり束縛されるのが嫌だった。

――これもテレビでの印象なのですが、北村弁護士は役所仕事が合っているようなイメージがあるのですが、どうでしょう?

丸山氏:どーなんだろうね(笑)一見合っているような感じがするよね。まぁ、中に入ればかなりキチッとやるんじゃないかな?

――司法試験合格後にアメリカでも弁護士生活を経験されていらっしゃいますがその経緯を教えてもらえますか?

丸山氏:司法試験合格後に当時は司法修習が二年あって、それから三年間日本で弁護士業をしてからアメリカに行ったね。これからは国際化の時代になるだろうと考えていたんだよね。だから、海外経験も持ってないと、競争に勝ち残れないんじゃないかと思って。先見の明があったね(笑)

――日本とアメリカでは法のあり方は異なりましたか?

丸山氏:やはり日本は弁護士の数が少ないですがアメリカは道を歩いていればぶつかるってくらい法律家が多いですね。あと、アメリカは法律家が色んな分野で大きな役割を果たして処理していくのですが、日本は裁判とか分野が限定されていますね。やはりその根底にある国のあり方や文化の違いって事は強く感じましたよ。

Ⅲ、裁判員制度について

丸山弁護士

――裁判員制度について丸山先生はどのようにお考えですか?

丸山氏:僕はね、非常に個人的な見解で言うと、裁判官には悔しい目に何度もあっている(笑)「何でこれだけ言ってわからないんだ!」、「ちょっと常識的におかしいんじゃないか!」ってね。そーいう意味では風穴を空けたいって思いがあって、(裁判員制度に)賛成ですね。ただ、完璧な制度かと言ったら別の話で、色々問題はあると思うけね。

 裁判員制度は民事を扱わないから、刑事裁判だけで裁判を考えると、検察官と裁判官はチームになっているんだよね。彼らは担当の裁判官と担当の検察官の組み合わせがある程度決まっていて、それがチームで週に何回って感じで裁判をやるんです。
 ところが、事件毎に弁護士は毎回違うでしょ?結果的に弁護士はいつも新参者で、チームにやられちゃうんだよね。弁護士と検察官が『対等』だって言ったって、向こうは何年間も毎日一緒に仕事しているんだから、そりゃ検察官の意見が通りやすくなるよ。だから法廷上の裁判官・検察官・弁護士の関係は正三角形じゃなくて、不均等だね。

 だから、役人同士ではなく、一般の人が加わるって事は面白いなと思っている。ただ、日本人に向いているのか?日本社会に向いているのか?というかなり根本的な事から疑問と反対が起きているから、しばらくは問題が絶えないと思うね。けど、まぁやってみないとね。あたりまえだけど、一度試行してみて、そのつど問題点を修正してみるのが一番だと思いますよ。

Ⅳ、日本の政治について

――今後日本の政治はどのように進むべきだとお考えですか?

丸山氏:やっぱり、良い意味での政権交代って必要なんだよね。だから民主党がしっかりした人材を育てて、より良い政策を練った上での政権交代はあった方がいいです。いまは大掃除しないと駄目な点がいっぱいある。よく言われているけど、議員の質や選ばれ方の問題がね。

――丸山先生は議員の世襲制度は反対されていましたね?

丸山氏:世襲は反対ですね。やはり選挙の時点で一般人との間にハンディが大きすぎる。公平な選挙でないし、相続ですよ。それって能力の有無に関わらず鍛えられないよね。日本の政治家が自分の所属するコミュニティーの中で出世していく事だけを繰り返していては、外国との(政治的な)戦いに負けると思う。同族会社なんかでも、次期社長が血縁者で決定しているところでは会社潰れるでしょ?同じですよ。

――では、タレント議員の存在についてはどうお考えですか?

丸山氏:僕はね、全員タレント議員であるべきだと思う(笑)逆に言うと、良い意味でのタレント性が無い人って政治家として駄目だと思うんです。『タレント:』って元々は『才能』とか『能力』って意味だよね?だからテレビタレントって意味合いだけではなく、政治家もテレビ的な素質を持っていた方が良いと思う。人前に立ってしっかり主張・アピールできる才能っていうのかな。オールラウンドでなくても、自分が秀でる分野をしっかりアピールできるって能力だよね。

 日本の政治家は何を話したって、原稿を棒読みしているだけみたいでしょ?あれじゃ駄目ですよ。例えば、アメリカのオバマ大統領だってタレントです。何の実績も無い、無名の人が大統領戦に勝ったのはやっぱりタレント性。スピーチに人が寄って行くんだね。彼はそのスピーチ力に加えて黒人っていう要素が入っているからよりインパクトが強かったかな。

 ヒラリーだって負けてしまったけど、優秀なんですよ?旦那が元大統領で、彼女自身も弁護士で話題がたくさんあった。ただ、真正のタレント性に負けたんですね。

 今の日本の政治家はタレント性が欠如しているから魅力がない。誰か思い浮かぶ?タレント性のある魅力的な政治家なんて。浮かばないでしょ?

――小泉元首相くらいです。

丸山氏:そーだね。小泉さんなんてタレント性あったね。結局、今の日本の政治は個人的な繋がりであの人は良い人だ、誰々さんのご子息だからっていうんで選んでしまっている。政治家に面白い人がいないからね。

――麻生首相に対してはどのような印象をお持ちでしょうか?

丸山氏:麻生さんはすごい能力があるかっていったらそんな事もないし、漢字を読むのが得意かって事もない(笑)だから、あの人が吉田茂元首相の孫で、麻生家に生まれてなかったら、間違いなく総理大臣にはなってなかっただろうね。もう500%ない。たぶんどっかの会社の係長か課長にはなっているくらいかな(笑)
 彼にしても福田元首相にしても政治家の家で育ってエスカレーターに乗ってきているだけだからね。小渕祐子が大臣になっているのも疑問でしょ。可愛いから?小渕さんのご息女だから?そーいう形で選んでいっては立派な内閣ができますか?それに、そういう人達がリーダーになっていたんじゃ、本当に能力がある人は「政治なんてやらないよ」って事になってしまう。
 オバマ大統領なんて見てみると、金持ちだったわけではないし、政治家の家庭でもない、叩き上げです。ボンボンがトップになっているだけの日本の血統主義では負けますよ。歌舞伎の世界じゃないんだからね(笑)

丸山弁護士

――TVタレントも含めて、日本のトップとして相応しい人物に心当たりはありますか?島田紳助さんはどうでしょう?

丸山氏:紳助はちょっと・・・、どうだろうね(笑) 紳助をトップにするなら京都府知事にして、それで大阪が橋本知事、兵庫県を住田知事にすれば『関西連合』ができる。このメンバーなら当選は確実だろうし、『行列』知事が誕生するね。それから道州制を作っちゃう!州の名前は『行列』!!さらに私がその新しい州のトップに就任すると(笑)

――タレント議員もテレビへの露出により、一般の候補者よりアピール力が格段に大きいと思います。そのタレント議員に対する規制については。

丸山氏:これは世襲議員より更に難しい問題だよね。例えば、石原慎太郎さんだってタレント議員だけど、一応はしっかりした仕事をしているでしょ?他には田中康夫さん、西川清さん、横山ノックさん、横峰パパなんかもいたね(笑)。

 これだけ様々な人がいると、その人本人の資質としか言いようがないんだよね。これを規制するっていったら、まずどこからが『タレント』と定義するかって事が難しい。活躍して知名度があればタレントかって事になっちゃうから。

 だから、規制というより選ぶ人の見識に頼らざるをえない。よく言われる事だけど、「政治家のグレードは選挙民のグレードでもある」ってね。

――現在の日本国民のグレード・民度はどの程度だとお考えですか?

丸山氏:個々的な能力は決して低くないと思うけど、行動に表す個性の確立が圧倒的に弱い民族だと感じる。集団の中に溶け込み、認知されていく事には長けているんだけど、集団の中で何か行動を起こそうとする人をのけ者にしたり、認知しなかったりする風土も強いね。あと、他に同調する傾向が強いから、意思表示として団子になりやすい。

 これが日本の社会的な特徴なのかなぁ・・・。だから、そういった性質をどこまで打破できるかって事が一つの日本人の課題だと思うね。その為に、政治家は顔の見える議員、顔だけでなく全身が見える議員として、タレント性が重要になってくるって強調しているんです。本当にそーいう人が少なくて、みんな同じような顔しるからうんざりしますよ。

――そのような人材を育成するにはどのような教育が必要ですか?

丸山氏:僕は政治家自身が、自分を作る勉強をする必要があると思う。みんな政策のことは一生懸命やるけど、政治を人間が行う以上、その人間がくだらないと良い政策だって国民へ伝わらない。やっぱり人間を作るって事が、大切なんだね。

 それに、政治家自身が己を磨く勉強をしていないと、特に日本のようなリーダーが相続的に選ばれる国では、政治が弱体化する一方。政治家の質も間違いなく落ちてきている。政治家に学生みたいな優等生が多すぎるんだよ。それは自民党も民主党も同じかな。議論はよくするけど、人間としての力が小さくって、行動力や器量が無いんだよね。これは本を読んだからといって育つことではないから。そういう意味で、色んな分野で活躍した人は素晴らしい資質を備えていると思うんだけどね。

――そういった意味では橋下府知事は人選として優れていたと言えるのでしょうか?

丸山氏:まだわからないよ(笑)橋下の場合は大阪がスタートの時点であれだけの問題を抱えていたって事が大きいし。彼の評価に関しては二年目以降からだね。

――橋下知事は自分の考えを主張し、実際の行動へうつしている印象を受けるので、他の政治家と比較して特異に映ります。

丸山氏:それは評価すべきだね。ただ、彼の場合は地方自治体だからそれだけの活躍ができるって事も大きいんだよ。例えるなら、彼は大阪の大統領に近い存在なんです。ところが、国会議員だとそうはいかない。700人以上の人数の中での1票になるから、決定権にならないし、マスコミも取り上げない。そこがやっぱり大きな違いなんだよね。

 他には、大阪ではみんなが投票権を持ってるけど、国会の大臣とかは国民が選ぶ訳じゃないからね。だから、地方自治に比べて、複雑で、わかりづらいですね。一人一人は良い議員もいるけど、その行動がわかりづらくて、認知もされにくいんです。

 権限を持った地方自治のトップの行動の方が明快だし、報道されやすい。少し前の東国原知事の報道なんかもすごかったでしょ?一挙手一投足の全てが報道されて、総理大臣よりテレビに出ていたんだから(笑)

 だけど、ミサイルの問題とか外交の問題は地方自治に任せられないし、そこには議員がやるしかない事がたくさんある。本当は、国から見た地方自治に任せられる権限って、今のところ一割か多くても二割ってとこなんですよ。全部法律で縛られているしね。

 知事は権限は大きいけど、できる事は小さいんです。橋下なんかも、直轄負担金の問題ですごく反対しているけど、要はあれも法律の規制がある事だからね。反対しているから大きく報道されているけど、結果的には実力行使をされて、払わざるをえないだろうね。そこで、世論を巻き込んで法律的規制を廃止の方向へ持っていく必要があるんです。

丸山弁護士

――総理大臣を選別する為の国会議員内での選挙で、どこまで民意が反映されるのか疑問に思います。それについてはどうお考えですか?

丸山氏:それはありますね。知事の場合は直接選挙でしょ?国会議員になると、例えば『渡辺喜美』さんが天下り禁止で一生懸命行動して国民に人気もあるけど、総理大臣になろうとしたら、20名の推薦人も集まらないと思う。国民投票したら圧倒的に勝利するだろうけど、現実はたった20名の国会議員の推薦が得られない。

――総理大臣が党の派閥から選出されるという、現在の制度に問題があるのでしょうか?

丸山氏:そう!派閥こそがガンだね。派閥って国家・国民のためではなく、派閥の損得で動くんです。例えば、今一番大きいとこだと『町村派』っていう、森さんがいたとこだけど、前の総裁選で、ほとんど麻生さんに決まりかけていた流れをあの派閥の働きかけで一気に福田さんへ形成が逆転してしまった。無派閥の人間は一票しか持たないけど、大きな派閥の働きかけだと80票分とかが一気に動く。そんな事は不自然だよね。

 麻生さんと福田さんで考えると、前々回の総選挙でコテンパンにやられた麻生さんが、次は圧倒的に勝利するなんてありえないですよ。だから、「派閥はガンだ」って言っているの。

 では、なぜ派閥で動きたがるのかって言うと、一人での行動に不安があるからだし、情報収集に有利だろうという人間心理が働いてね。日本人の群れたがり症候群だね(笑)
 これは本当に根が深くって、政界で私のように派閥に入らずやっていくのは相当な勇気と覚悟が必要になるね。

Ⅴ、学生へのススメ

――丸山先生から学生に勧める本などはございますか?

丸山氏:僕が学生の頃は『魅せられたる魂』や『ジャンクリストフ』というロマン・ロランというフランスの作家が書いた本が印象的だった。この本の登場人物のモデルの一つが『ベートーベン』だと言われていてね。意味はよくわからなかったけど(笑)

 今は歴史物が好きでね。歴史物は良いと思うよ。池波正太郎さんの『鬼平犯課帳』とか『黒幕』。やっぱり歴史小説って凄く勉強になるね。繰り返し読んだらいいと思う。ただ、池波正太郎さんあたりになると、大人になった後に、感受性や思想性を鍛える本って感じで、学生時代に読むかって言われたら少し疑問が残るかもしれない(笑)

――丸山先生自身を省みて、学生時代にこれをしておくべきだったというような事はございますか?

丸山氏:僕は部活・サークルをもっとするべきだったと思うね。人間関係を広めるって意味でも、集団で運動したり合宿をしたりという事が希薄だったのが本当に心残りだね。3年生から始めた司法試験の勉強は、一人きりで朝から晩まで本にかじりついて勉強っていう特殊な生活だったから。それも面白くはあったけど、孤独な戦いだったね。

――もう一度大学生活をやり直せるとしたら司法試験は目指しますか?

丸山氏:やりたくないな(笑)もっと華やかな活動をたくさんしたいね。映画を撮るとかダンスサークルとか楽しそうな事がたくさんあったからね。

大学生活で一番楽しかった思い出はどのような事でしょう?

丸山氏:うーん・・・。司法試験だって楽しいんだよ?決して後ろ向きでやっているんじゃなく、燃えていたんだから。ただ、女性との交流とかが無くってね(笑)真面目でストイックな楽しさって感じ。

 だけど、本当に充実して納得できる大学生活を送れる人って中々いないと思うな。一番大切な事は、その時々に自分の魂を燃やすって事。恐らく人間は死ぬ時にやりたかった事の1%くらいしかできていないと思う。僕だって弁護士やって、タレントやって、議員もやっているけど、やりたかった事は全然できていないからね。でも仕方ない事なんだよ。その時々に「これだ!!」と思った事を一所懸命にやっていれば、他の事には手が回らないから。それだけ人生は短い。

 満たされなくても、生きている限りは魂を燃やして夢に向かって挑戦し続ける事が大切なのだと思う。最後の死ぬ瞬間まで執念を持たなければいけない。その執念の源が「挑戦する事」だね。例え1%でも可能性があればそれに挑戦する。だから最近の講演では『1%の挑戦』って言葉をよく口にするんです。すると誤解して「1%だけ挑戦するのが人生なんだ」って人がいるんですよ(笑)ちがうんだってば!!(笑)

丸山弁護士

――今の若者は、『挑戦』への大前提となる夢や目的を喪失している人が多いと思うのですが。

丸山氏:そうだと思います。ただ、誤解している人が多いようだけど、夢って探すものではないんです。自分の中から湧き出てくるもの。つまり『夢』は『魂』を燃やした『結果』として生じるものなんです。ひたむきな生き様から生じるとも言えるかな。
それは何だってよくって、政治でもタレントでも画家でも冒険でも恋愛でも、何でもひたむきにやっていればそれが『夢』として形になっていくんです。

現在、丸山先生が最も力を入れている活動は何になりますか?

丸山氏:まだ始まったばかりだけど、『絶望塾』っていう私塾を開います。『絶望』って『希望』との対極に感じるけど、実は絶望と希望、生きると死ぬって事は裏表だと思うんです。例えば、韓国の大統領の自殺なんてありましたよね?大統領にまでなった人がですよ?栄光と挫折というのはとても近いもので、絶望の中から希望を探るってことも大切なんじゃないかと思って。
 国会議員としてはこんな事を言う人は少ないですけど、この事はとても大切な事なんですよね。

Ⅵ、『行列のできる法律相談所』について

――『行列のできる法律相談所』のメンバーでお食事をされたり、遊びに行かれる事はあるのでしょうか?

丸山氏:ないですね。あそこでケンカばっかりして、みんな仲悪いですから(笑)テレビの収録がある時は、終わった後に年に一度くらいは、弁護士もスタッフ全員と食事に行くことはあったけど、それ以外では殆どないね。メンバーで一番紳助と食事に行ってたのは橋下だったんじゃないのかな。やっぱ年下だし、お互い大阪だし、紳助に一番可愛がられていたね。

――では、行列メンバー以外にもゲストに来ていた芸能人と交流を持つなどといった事は無かったのでしょうか?

丸山氏:あんまり無いね。他の弁護士メンバーも無かったと思いますよ。

――現在の丸山先生がいなくなった後の行列はご覧になられていますか?

丸山氏:見てないですね。番組の質が落ちたと聞いているし、見る気もしないですから。

Ⅶ、座右の銘

最後に、丸山先生の座右の銘を教えてください。

丸山氏:特にないな(笑) じゃあ、『絶望を超えて』にしておこうか(笑)


インタビューを終えて

 私達はTV番組により構築された『丸山弁護士』のイメージと、経歴から読み取れる『丸山和也』の社会的地位とのギャップを整理しきれないまま、取材場所として指定された、丸山先生の事務所へ赴いた。事務所に通されて取材を行う部屋へ移る短い間も、これまで丸山先生が積み上げてきた経歴の数々が嫌でも目に入り、改めて取材対象の社会的地位を感じて打ちのめされる気持ちであった。

 実際にお会いした『丸山和也』は、肩書きが示すような権威や威厳に満ちたものではなく、気さくでユーモアに溢れており、TV番組での『丸山弁護士』に近い人物であった。
 インタビュー中に丸山先生がしきりに仰っていたのが、『夢』、『情熱』、『魂』といった、若者世代からすれば親や教師から呪文の如く聞かされ続け、拒絶反応を起こしそうな言葉であった。だが、丸山先生の口から出るその言葉の純度は遥かに高く、人生を本気で駆け抜け続けた人だからこそ醸し出せるリアリティーに溢れていた。「弁護士やって、タレントやって、議員もやってきたけど、やりたかった事は全然できていない」その言葉通り、還暦を超えても丸山先生は現状に満足せず、常に『夢』に向かって『情熱』と『魂』を燃焼させ続けるのだろう。私たちが倣うべきは丸山先生の肩書きや経歴ではなく、その老いる事をしらないひたむきな姿勢にあるのではないかと、私達はそう感じた。

 最後に、今回のインタビューは早稲田大学政治経済学部の林田慶一様と丸山国際法律・特許事務所スタッフの方々のご協力により実現致しました。心よりお礼申し上げます。

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