機械は人間を超えられるのか? バッティングセンターの裏側に迫る!

2010年5月21日 記事の公開日時 9:46 pm

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機械は人間を超えられるのか? バッティングセンターの裏側に迫る!
 
 

(この記事はMAG! 2010春号に掲載されています。詳しくはこちらをご覧下さい。)

人間の球と機械の球一体何が違うのか!?

2010春号-機械は人間を超えられるのか? バッティングセンターの裏側に迫る!

2010春号-機械は人間を超えられるのか? バッティングセンターの裏側に迫る!

「カキーン」という小気味良いバッティングの音。何台も立ち並ぶ機械から、規則的に球が吐き出され続ける不思議な空間「バッティングセンター」。

そんなバッティングセンターでよく見る光景が、「実際の投手と機械の球じゃ違うんだぜ」なんて物知り顔で語る若い兄ちゃん。そんな人にはこうツッコみたくなりませんか?
「で、何が違うの? 野球経験者なら答えられる?」って。

ということで、疑問に答えられないマグ編集部員(野球経験者)が、早速、早稲田大学スポーツ科学研究科の永見智行さんに話を伺ってきた。

その1「回転軸」

「ボールには回転軸があり、それがどのような向きかによってボールの軌道が変わるのです。実際の投手が投げる場合はその回転軸が斜めになりシュートして、機械だと回転軸は地面と水平になりますね。」(永見さん)

回転軸のズレの生じる実際の投手と、そうでない機械の球との違いはバッターに大きな影響を与えるようだ。

その2「回転速度」

投球に際して、ボールのスピードが重要なのは言うまでもないが、実はボールの回転数も打ちにくさを決める重要な要素となってくる。

「回転数が速い方が、より伸びるボールですね。球速が上がれば上がる程回転数も上がっていきます。ただ、機械の場合はその回転数があり得ない程高い場合もあるんですよ。」(同)

一般的には130km/hのボールだと、毎秒約30回転をしているのだが、ある高校の機械では「100km/h程度のボールで100回転」という、実際ではあり得ない回転数になっていたという。機械では回転数の調整が出来ないものが多く、実際の投手と球速が同じでも打ちにくいボールになることがあるそう。

その3「縫い目」

野球ボールには必ず存在する「縫い目」。一見、投球になんの影響もなさそうに見える僅かな縫い目であるが、仮にボールを「地球」と同じ大きさと見立てると、縫い目は高さ100kmにも達するという。それは極端な例えだが、つまり縫い目の球に対する影響はかなり大きいのだ。

そこで、実際の投手は縫い目を意識して投球をするのに対し、機械では無作為にボールが入れられるため、縫い目もまたランダムになってくる。この縫い目への意識がボールの軌道を変化させるのだから、機械と投手との間では球質が異なるのは当然だろう。

機械の進歩により、上記の課題はいくつか解決されつつある。しかし機械と人間の違いは、まだまだ大きいのが現状…。ただ、機械は機械、人間は人間、各々違いはあれどもバッティングの楽しさには変わりない。たまにはいい汗かきにバッティングセンターでも行きますか。

(文=土屋順紀)

永見智行 プロフィール

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科スポーツ神経科学研究室。


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