ネタバレ注意! 崖の上のポニョから学ぶ解釈学のススメ

2010年5月24日 記事の公開日時 8:17 am

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ネタバレ注意! 崖の上のポニョから学ぶ解釈学のススメ
 
 

(この記事はMAG! 2010春号に掲載されています。詳しくはこちらをご覧下さい。)

宮崎駿は現代の神話の語り部!?

『崖の上のポニョが神過ぎた件』-ハムスター速報

『崖の上のポニョが神過ぎた件』-ハムスター速報

2008年に公開されたスタジオジブリ宮崎駿監督最新作品『崖の上のポニョ』。大橋のぞみちゃんが歌う主題歌とともに、「ポニョブーム」が日本中を席巻したのは記憶に新しいことだろう。
だが、皆さんはご存知だろうか?『崖の上のポニョ』には、恐ろしい裏設定が隠されているという、ある種の都市伝説とも言える噂が存在することを…。

その噂の発端となったのが一件の検証スレ。その名も、『崖の上のポニョが神過ぎた件』。
そこにはエントリー主の独断と偏見による、深読みとも取れる壮絶なポニョ解釈が展開されている。だが、いち素人ではその正否を確かめるのは困難。ということで、噂話大好きなマグ特捜部は、さっそく早稲田大学文化構想学部の超人気講座『物語論と解釈学の系譜』を担当している、高田明典教授へ検証サイトの検証を依頼した!

「この検証は、あながち間違ってないと思いますよ。」(高田教授)

おぉ、専門家も認めた! しかし、高田教授曰く、このような分析の手法は現代の物語分析の主流ではないとのことだ。

「このように個別の要素を抽出していって分析するのは、30年ほど前の『ユング派』の分析。(現代の)我々の手法だと、『シーケンス分析』と言って、ストーリー全体の構図を捉えて整理していくんだよね。
例えば、『ポニョ』の分析だと、『生と死』、『自然と人間』、『知恵と愛』っていうテーマを螺旋状に何度も繰り返してストーリーを盛り上げてる。」(同)

『ポニョ』の構造解析についてはこの図を確認して欲しい。各キャラクターが、『生と死』、『自然と人間』などの対立構造の一方へ移動しながらストーリーが展開していることが見て取れる。

ちなみに、これは「神話」が持つ構造と全く同じらしい。「神話」とは長い人類の歴史の中で最も人々に訴求した物語であり、最も洗練された物語構造とも言える。

そして、その神話構造の利用に長けているのが宮崎駿監督だと高田教授は言う。

「我々、専門家って宮崎アニメはあまり分析しないんだよ。宮崎監督とか、他にはその一派である『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野監督は、数少ない構造を理解しちゃってる人達だから。あえて分析しなくても作品が神話構造になっていくんだよね。」(同)

そんな専門家視点によると、『崖の上のポニョ』は対立構造の構築や表現が、宮崎作品の中で過去最高と言える程、良くできているらしい。

「ポニョはあまり好きじゃなかったなー」とぼやくそこのあなた! 検証サイトとあわせてもう一度観れば、今まで気付かなかった意外な発見があるかもよ。

(文=一和多義隆)


『崖の上のポニョが神過ぎた件』の詳細な検証についてはこちらをご覧下さい。

大学教授が斬る!2ch検証スレ『崖の上のポニョが神過ぎた件』のYes or No!

<検証サイトのご紹介>
崖の上のポニョが神過ぎた件-ハムスター速報
崖の上のポニョの解釈(12歳以上向け)

高田明典 プロフィール

フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科教授。現代思想やメディア論を専門とする。


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