津田大介氏インタビュー 第2回:「Twitterが変えたものとは、そしてその未来」(全4回)

2010年5月27日 記事の公開日時 5:30 pm

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津田大介氏インタビュー  第2回:「Twitterが変えたものとは、そしてその未来」(全4回)
 
 

(この記事はMAG! 2010春号に掲載されています。詳しくはこちらをご覧下さい。なお、ウェブ上では特別にロングバージョンを公開しています。)


  • 第1回:「インターネット黎明期の挫折、そしてTwitterへ」
  • 第2回:「Twitterが変えたものとは、そしてその未来」
  • 第3回:「Twitterでできること、できないこと、素直になれないこと」
  • 最終回:「大学生に贈る、Twitter時代の人脈の作り方」

  • MAG! 2010春号 津田大介氏インタビュー

    MAG! 2010春号 津田大介氏インタビュー

    Twitterが変えたものとは、そしてその未来

    津田氏(以下『津田』): Twitterって何かっていうと、世界に開かれたインターネットの再起、リベンジだなと。95年とか96年頃のネットにあったピュアなオープンで、色んな人とメッセージをやりとりできてる感じ。「あぁこれだなー」って。だから、結局、さっきインターネットの挫折って話をしたんですけど、挫折を経験したからこそ、インターネット、ブログ、SNSが示したものを、現実的に刈り取れる場所ができたなって意識があるんです。

    ――現実とのリンクって意味では、政治家がTwitterを頻繁にやっていたりして、世界を変えてるなって感じます。オープンであるからこそのTwitterというか。

    津田: 本当にそうですね。

    ――昔、「インターネットが現実に影響を及ぼさなかったのは、現実がITに興味がなかったからだ。だけど今は違う」と、西村ひろゆきさんが言っていました。インターネットの使われ方の移り変わりって感じる事はありますか?

    (参考)インターネットにようこそ。 : ひろゆき@オープンSNS http://www.asks.jp/users/hiro/47417.html

    津田: そうですね。何がキーだったのかな、ってのは、今でも考えることはあります。Twitterって何も新しくないんですよ。目新しさって一個もないし、簡単に誰でも投稿できるって意味ではブログだし、それより機能は全然少ない。チャットやメッセンジャーみたいに秒単位のリアルタイム性でいえば、Skypeなどにも劣るわけですよ。よく考えたらウェブチャットなんて昔からあったしね。人間関係に着目してフォローする仕組みもSNSからの輸入だよね。

    そういう意味での新規性は全くないんだけど、Twitterが一個だけ貫いているものがある。それは「リアルタイム性」なんですよね。いま・現実・何をする、ってのが起点になって、140字でポンポン連続ポストするっていのは、今起きてるのは何だろう?っていうこと、今我々がニュースを見てこんな風に思ったりってのを書いたりすること、自分がメシを食べてること、やっぱり目の前に起きてる現実が話題になりやすい。そういうものの結果として、個人が社会と繋がりやすくなったんじゃないかな。それがキーだったんじゃないかな、と。

    やっぱ一番Twitterが変えたなって思うのが、情報がフローになったって事ですかね。インターネットって今までは単なる巨大なデータベースみたいなもんで、置いておいた情報を検索して探しに来て下さい、てものだったんですよ。

    ただ、Twitterはそうじゃなくて、情報がドンドン流れていって、逆に流れていったのって価値があまりなくなっていくってのも含めて、情報の一期一会な感覚がある。ネットにそのような感覚を持ち込んだのが画期的だったんじゃないかな。「この情報が消えていく、これは半日後には意味がないんだ」って思うから、人はイベントにコミットしたくなるわけで。それがTwitterで、現実との結びつきをしやすくなるし、それは人とか社会をコミットして動く、人の背中を押してくれるツールだ、って思います。

    Twitter時代の人間関係

    ――Twitterを100%使い切るには、自分の知り合いだけではなく、それ以外に多くのフォローをして繋がりを作った方が楽しめると思いますか?

    津田: 言ってしまえば、Twitterもただのインフラなんで、メールとかFAXとかの通信手段と同じ。その意味で言えば「こーいう風に使え」というような使い方はないですよ。例えばフォロー0で、自分が自分がひたすら表現形態としてTwitterを選ぶって場所はいると思うし、逆にフォローは2000とかするけど、自分はつぶやかず見てるだけってのもアリだと思うしね。Twitter小説(#twnovel)とか面白いよね。

    ただ、Twitterのおもしろさがわからなくて、何の反応もないし、つまんないから辞めたって人も実際には多い。最初の何をやっていいのかとか、始めてから楽しさがわかるまでの敷居が高いサービスだと思うので、情報の流れを掴むために、便宜的に「まずはフォローを100人くらいまで増やすといいですよ」とは言ってますね。

    ――Twitterをやっていない人に、Twitterの何が面白いか? ってのを伝えるのは難しいですよね。

    津田: 難しいよね。

    ――例えば、2ちゃんねるでTwitterが話題になると「2ちゃんねるでいいじゃん」って言われたりするじゃないですか。Twitter上に知人・友人の少ない人がTwitterを始めるに抵抗を感じるのってわかるんですよね。

    津田: まあ、そうまでしてTwitterを勧めなくちゃいけないのかって問題もあるしね。ただ、この前僕がいいなって思ったのが、Twitterをなんで勧めたいのかって動機づけのところで、やっぱり属人性が高いからその人の事を深く知る事ができるってのが大きいと思う。

    人間ってのは24時間真面目でいる人なんていないので、例えば僕なんてこんな金髪だけど、書いてる原稿は新聞とかだったりするから堅いものが多い。けど、Twitterでは堅いことも書けば、すごい馬鹿馬鹿しいことも書く。それでこの人ってこーゆう面があるんだーって思ってもらえるんだよね。

    たまたまタイムライン見てて「この人のことをもっと知りたいって人に、Twitterを勧める」ってポストしてる人がいて、なるほどそうだなって思ったんだよね。僕としては「Twitterの何が魅力なの?」って聞かれたら、必ず「話が早い」と答えてます。140字以内でポンポン決めていかないといけないのでね。飲み会の約束とか、メールとか社交辞令で終わってしまう事が多いのに、Twitterだとそうじゃなかったりね。

    あとはお互いフォローしあっていると、その人の普段が見えてくるので、実際に会った時に距離が詰めやすくなるんですよ。

    ――Twitterで知り合った人と酒を飲むと、タイムラインの話だけで酒の肴になりますよね(笑)。

    津田: そうそう(笑)。結構、Twitterのオフ会って面白くて、やっぱmixiの時とかってコミュニティーとか趣味単位で会ってたのに、Twitterのオフ会って趣味バラバラでもTwitterの話で盛り上がれるんですよね。

    ――普通だったらそこで終わってしまう人間関係でも、Twitterがあれば繋がっていられる気がすることはあります。

    津田: わかるわかる。それは本当にそう。さっきの2chとTwitterとの違いが何かって話になるんだけど、例えば2chの実況版ってのは、スレッド流れれば終わりで、そこから先が無いんだよね、Twitterの場合はIDがあるんで、ある話題で盛り上がったりすると、その盛り上がった感覚を共有したまま関係を継続していけるんだよね。それは、ネットでもリアルでもそうだし、「関係が継続するからこそ面白い」ってのは、2chとの違いじゃないかなって思うのね。

    ――生活への密着度が高いなと思うんです。僕も少し空いた時間でiPhoneでTwitterを見たり、ポストしたりしちゃったりしてて。

    津田: 中毒化しやすいとこだよね。僕も移動中に見ちゃうかな。移動中の10分とか電車乗ってる時に最適だよね。本とかはまとまった時間が必要だけど、短い時間にTwitterはいいなって思います。

    (参考)Twitterは良すぎるのかしら? http://anond.hatelabo.jp/20100423202625

    (文=竹馬光太郎)

    前回:インターネット黎明期の挫折、そしてTwitterへ

    次回:「Twitterでできること、できないこと、素直になれないこと」

    津田大介 プロフィール

    1973年11月15日、東京都北区出身。早稲田大学社会科学部卒業。IT・音楽ジャーナリストとして、ネット、音楽、ハード、マルチメディア系の記事を執筆。2009年に執筆した『Twitter社会論~新たなリアルタイムウェブの潮流~』(洋泉社)が話題を呼び、日本におけるTwitterジャーナリストの第一人者としても認知されている。2010年度からは、執筆業の傍ら早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコースの非常勤講師担当も務める。


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