【2010秋号】日本の常識はアメリカの非常識!? 日米議員のヤジ比較!

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2010年9月30日 記事の公開日時 5:05 pm

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【2010秋号】日本の常識はアメリカの非常識!? 日米議員のヤジ比較!
 
 
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いい大人がなにやってんの…?

MAG!2010秋号-日本の常識はアメリカの非常識!? 日米議員のヤジ比較!

「人の話は黙って聞きましょう!」最後に注意されたのはいつのことだろう? 小学生でもわかるあたり前の社会常識ではないだろうか。だが、そんな常識がミジンコ並に霞んでしまう場所がこの国には存在する。あろうことか国権の最高機関”国会”である。そんなヤジが飛び交う日本の国会風景に慣れ親しんでいる、いち日本人としては驚くべきある噂を耳にした。なんでも訴訟大国アメリカの議会ではヤジが全くないというのだ! 早速噂の真偽を確かめるべく、政治経済大好きなMAG!調査員(センター試験政経100点)がアメリカの政治に詳しい早稲田大学の今村浩教授にお話を伺ってきた。

「アメリカの上院は定員が100人。そして出席率が悪い時には10人くらいしかいない時もあります。ヤジを飛ばすということは物理的に考えにくいですね。上院の場合、賛成投票する予定の議員と、反対投票する予定の議員、そういう人達が事前にマッチングをして両方欠席することが出来るんですよ。賛成と反対がそれぞれ1人ずつ減っても結果は変わらないですからね。それで議場に出席者が少ないんです。」(今村教授)

なんとも合理的! たしかに国会に出席して居眠りされるのなら、欠席して時間を有意義に利用して欲しい気もしないでもない。つまり、アメリカ上院の場合は、”人数の少なさ”がヤジをなくしているようだ。ではヤジがないのは上院だけなのだろうか。
下院の場合、ヤジが全く無いわけではないようだが、日本のように話が聞き取れないほどの罵声が飛ぶこともないようだ。その理由としては、”厳格な三権分立”にあると教授は言う。

「アメリカの場合だと立法府と行政府を分離するという考えが強く、日本のように大統領とか閣僚が委員会へ常にはりついて議会で答弁をするということは一切ないですね。」(同)

日本では、首相や閣僚が何度も国会に赴き答弁や演説をするのだが、アメリカ大統領の場合はそもそも年に数回しか議会に行かない。そのため、大統領が演説を行う場としては上下両院の合同本会議だけであり、それにしても大統領の現状認識や政策を伝えることが目的のため質疑は受け付けない。さらにアメリカ大統領は日本の首相と違い「国家元首」であるが故に、大統領職は権威あるものだとされているのだ。

「構造上の違いでヤジが飛びにくいだけで、アメリカの議員が日本と比べて特別品性が優れているとか、そういうことはないと思いますよ(笑)」(同)

とはいえ、やはりいい大人がヤジを飛ばしてる姿は見ていて気持ちがいいものではない。国民の政治不信が強まっているこんなご時世だからこそ、小さなことからコツコツと、まずはちゃんと話を聞くところから始めてみてはいかがでしょう、日本の議員先生方。

(文=土屋順紀)

今村浩 プロフィール

早稲田大学社会科学部教授
早稲田大学でアメリカ政党理論を専攻。著書に『巨大国家権力の分散と統合―現代アメリカの政治制度』など。

画像出典
Parliament of Japan / chaojikazu
http://www.flickr.com/photos/chaojikazu/531004191/

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