【2010秋号】“慶應”大学は火の車!? 知られざる大学経営の裏側!

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2010年10月14日 記事の公開日時 5:41 pm

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【2010秋号】“慶應”大学は火の車!? 知られざる大学経営の裏側!
 
 
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まさかうちの大学は…

MAG!2010秋号-“慶應”大学は火の車!? 知られざる大学経営の裏側!

あの”慶應”が大学経営で225億もの評価損を計上したことは記憶に新しい。少子化や学校数の過剰供給で厳しい経営を強いられる大学が少なくない現状、「じゃあ私の通っている大学は大丈夫なの?」と不安に思う人もいるのではないだろうか? けれども大学の組織運営や経営について調べてみても、どうも不透明な点が多くてわかりづらい。
ということで、「こんなんじゃ不安で勉強が身に入らないよ!」という勉強大好きなMAG!捜査員が、『大学経営の本質と財務分析』の著者である専修大学の小藤康夫教授へ大学経営に関する話を伺ってきた。
私立大学は当然として、国立大学も潰れる可能性はあるのでしょうか?

「 潰れます。私立でも国立でも『人件費率』というものが関係しているんです。例えば、国立の福島大学は人件費率が”74.7”です。それは入ってくるお金のうち、人件費で74.7%が使われてしまうということで、当然近代的な校舎を建てるなど、その他の予算へ回す余裕もないですね。これは長期的な視点から見れば不安定で危険な状態。通常人件費率が60%を超えてしまっているところは黄色信号なんです。大学を十二分に運営できるだけの支出と収入のバランスがとれていない状態ですね。人件費率だけでも大学の経営状況は大方予想できますよ。」(小藤教授)

また、収入の伸び悩み以外に高すぎる人件費も問題の一つだと教授は指摘する。一部の大学では定年退職をむかえた65歳以上の教員も、科目の継続という名目のもと定年前の3分の1程度の給料で、『特任教授』として雇っているのだという。これらの問題をふまえると、現状は私立大学よりも国立大学の方が存続の危機にあるとか。

「国立は大変でしょうね。恐らく、国立で緊迫していないのは旧帝大と医学部のある大学だけなんじゃないですか。」(同)

やはり国立でも国からの厚い支援を受けられる、医学部のある大学は比較的安定しているようだ。一方、私立大学で医学部を持つことは付属病院の維持などに大変なお金がかかり、赤字がでる可能性が高いとか。事実、慶應大学の医学部は赤字ぎみなのだという。そのせいか教職員の給料は、医学部を持たない早稲田大学よりも、医学部にお金に回さざるをえない慶應大学の方が低いというから驚きだ。

大学全入時代に伴い、近い将来多くの大学が”淘汰”という現実にさらされることになるだろう。すでに大学へ入学してしまった私達には関係の薄い話かもしれないが、これからの大学受験では旧来のような偏差値やブランドによる大学選択ではなく、経営状態も重要な指標の一つとなっていくのかもしれない。

(文=勝村香菜子)

小藤康夫 プロフィール

専修大学商学部教授。
金融論と保険論を研究分野とする。

画像出典
Harvard University campus / First Daffodils
http://www.flickr.com/photos/ispring/3547956110/in/photostream/

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