「ザラつき感」が生む化学反応 福澤朗氏インタビュー

2011年11月5日 記事の公開日時 5:00 pm

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「ザラつき感」が生む化学反応 福澤朗氏インタビュー
 
 
この記事はMAG! 2011秋号に掲載されています。
詳しくはこちらをご覧下さい。

数々の印象的なフレーズを生み出し、司会者として多数の番組に出演。熱く、明るいキャラクターでテレビの第一線を走り続ける人気アナウンサー・福澤朗が、仕事観やテレビの今後、学生へのメッセージを語る。さあ、君の心にジャストミート!

アナウンサーへの経緯

 
大学時代は、ほとんど学校に行かずに劇団の養成所に通っていました。大学2年生の冬にオーディションに合格して、3年生、4年生、1年留年して5年生と3年間ずっとですね。ただ、正劇団員にはなれず大学に戻ってくることとなりました。

そこから就職活動を始めたのですが、マスコミの試験の中で、最も早く日本テレビのアナウンサーの試験があって。それで、試験に受かってしまったんですね。だから、「ものすごくテレビ局のアナウンサーになりたかった」というわけではないんですよ。

ただ、そのあとそれで良かったということに気が付いたんです。なぜなら、僕は「演劇」の方が好きだったから。

つまり、自分の最も好きなことが仕事になってしまうと、「自分が楽しければいいだろう」という発想が生まれてきてしまうんです。だから僕は学生の皆さんに、「好きなことはとことんやるべき。でも好きなことは仕事にするべきではない」と言いたいです。
 

全てはプロレス中継から始まった

僕は入社2年目から、全日本プロレス中継を担当させてもらったんです。ただ、今までのプロレス中継をやっていたアナウンサーと決定的に違ったのが、僕は入社するまでプロレスを1回も見たことがなかったことなんです。今までは、プロレス好きな人がその延長線上でプロレス中継をしていたんですね。

だから、そういう方の真似をしても絶対良い放送は出来ないだろうと、アプローチの仕方を変えたんです。僕はなぜ今までプロレス中継を見なかったんだろうということを分析したんですね。

血なまぐさい、ドロドロしてる、因縁関係が複雑、スカっとしない。そういった欠点を書き出して。それらを全部否定する形で、カラッと、明るく、因縁関係がなくて、カッコいいプロレス中継をやろうじゃないかと。

僕はプロレス中継の中で一番感動的な瞬間だと思ったのが、打撃技でした。肉体同士がぶつかりあう瞬間にとても感動したんです。そうして「ジャストミート」「ファイヤー」という言葉を、リアルタイムの実況で意図的に使うようになりました。

そのプロレス中継が好評を博し、とんねるずの2人が日本テレビで新しいバラエティー番組を立ち上げるときにご指名を頂いたのが「とんねるずの生でだらだらいかせて」という番組でした。そして「生だら」を見ていた情報番組のスタッフがバラエティー系のアナウンサーを使いたいということで、「ズームイン!! サタデー」が立ち上がったんです。

「ズームインサタデー」を卒業と同時に「ズームイン!!朝」に移行して、さらに「ズームイン!!super」に変わり…。また、発展的に「真相報道バンキシャ」が生まれ…。そういった形でつながっているんですね。

「ジャストミート」、「ファイヤー」がバラエティー番組につながり、情報番組につながり、そして報道番組につながっていったんです。だから、ことのはじまりは全てプロレス中継にあるんですよ。

「ザラつき感」が番組を面白くする

一緒にやってやりやすい共演者と組むと良い番組になる、とは限らないんです。

僕は「ザラつき感」と表現しますが、相性の良くない人間同士が組むと化学反応が起き、面白くなるんですよね。

局アナ同士が組むよりも局アナと芸人、局アナと天然ボケの方がこすれあって熱が出てきて、番組の面白さになる。だから、今まで司会をしてきてやりやすかったと思う人の方が少ないですね。あったとしても、それは記憶に残っていないです。

「やりにくい」という否定的なニュアンスではなく、この人とは行けそうだなという思い。それが良いキャスティングになるんだと思いますね。

テレビは今後どうなるのか


生放送がどんどん増えていくと思います。最近の番組はできるだけお金をかけずに、インパクトを出そうとしているものが多いんです。その点、生放送はインパクトがあり、とても有効な情報でもある。また、お金もあまりかかりません。逆に、ロケやスタジオトークだと時間やお金もかかるんですね。

そうしたリアルタイムの番組が増えると、コミュニケーション能力や情報伝達能力が高い人がテレビでは残ってくるんだろうな、という気はしますね。

 

(文=土屋順紀)

福澤 朗
(ふくざわ・あきら)
 1988年第一文学部哲学科教育学専修卒業。在学中、「演劇集団 円」の演劇研究所に3年間在籍。1988年日本テレビ入社。「ジャストミート!」や「ファイヤー!」などの名文句で人気を集める。2005年7月に日本テレビ を退職し、フリーに。株式会社ノースプロダクション所属。現在、日本テレビ「真相報道 バンキシャ!」などで活躍中。

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