【2012冬号MTR】本当にここが限界!? 陸上で日本人が勝てる日は来るのか?

2012年3月3日 記事の公開日時 5:00 pm

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【2012冬号MTR】本当にここが限界!? 陸上で日本人が勝てる日は来るのか?
 
 
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日本人の戦い方とは…?

あなたは「日本人もボルトのように世界一速く走れないんだろうか」なんて一度は思ったことがないだろうか。だが現実は甘くはなく、日本人は10年以上100mで日本記録更新がない。こんな日本人でもいつの日か世界を相手に堂々と渡り合える日は来るのだろうか。そんな疑問を持ったマグ捜査員(サッカー歴12年)は順天堂大学の柳谷登志雄准教授にお話を伺ってきた。

「まず、日本人の定義が難しい気がしますね。たとえば、ハーフという形だったら日本人でも世界に出ていくということは十分あると思います」(柳谷教授)

 では、生粋の日本人だったらどうだろう?

「ここ10数年で全体的にかなり体が大きくなってきてはいるけれども、まだまだ世界では通用しないですね。それにはDNAの違いもあって、DNAは骨格や筋線維組成、心肺持久力まで決めるので。だから、将来日本人が世界で活躍するのをみなさんが見届けられるかと言ったらちょっと難しいかもしれない」(同)

 

 また、DNAの違いからアフリカ系選手の走り方を真似したからといって、必ずしも日本人が速く走れるわけではなく、日本人なりのタイムの出し方があるのでは、とのこと。ここまでの話では日本人が陸上で活躍するのは難しいように感じたが…。

勝てそうな種目を狙うのも技ですよね。真っ向勝負したら負けちゃうし。今日本が世界に一番近いのは400mハードルと400mリレーなんですよ。だったら日本は400mハードルと400mリレーを狙えば良い。あとは、国がどれだけ選手をバックアップできるかですね。国立スポーツ科学センターやナショナルトレーニングセンターなどができて学校に通いながら合宿のようなこともできるようになったし、totoのお金が選手のサポートに回るというように昔に比べて競技生活を支える社会的な体制は整ってきている」(同)

 

 タレント発掘からそのサポートまでという社会システムが上手くいくことによって全体が底上され、強くなる。日本では、競技選びから育成まで世界で勝つために様々なことを取り組んでいるようだ。しかしトレーニングをはじめ、スパイクなども進化しているにもかかわらず、日本人の成績が伸びない。これといった答えがないのも現状だ。

 

 それでも、日本人がメダルを取るためにできることを柳谷先生は教えてくれた。

取りこぼしをしないことが重要ですね。北京五輪のときにリレーでメダルを取れたのは運もあるんですけど、周りが失敗した時に確実に自分たちのやることをやったからなんですよ」(同)

 

 スポーツの世界は厳しい。一つのミスで笑顔も涙に変わるのだろう。が、逆もまた然り。いつの日か日本が世界で活躍することを願おう。

(文=並木 伸賢)

柳谷登志雄 (YANAGIYA TOSHIO)プロフィール

順天堂大学 スポーツ健康科学科准教授。
研究領域:スポーツ動作のバイオメカニクス、骨格筋のバイオメカニクス、トレーニング科学 など

画像出典
james took this picture too / elisasizzle

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