【2012秋号MTR】スポーツの起源とは…?

2013年1月14日 記事の公開日時 6:00 pm

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【2012秋号MTR】スポーツの起源とは…?
 
 

この記事はMAG! 2012秋号に掲載されています。
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スポーツの秋の到来!!そもそもスポーツの始まりとは…?

起源は〇〇〇〇!

2012年ロンドン五輪では、選手達のプレーが日本中を興奮と歓喜の熱に包んだ。マグ捜査員たちも日本のメダル獲得に狂喜乱舞する中、ある一つの疑問が浮かぶ。「スポーツはいつどのようにして生まれたのだろうか?」この疑問を追求すべく、マグ捜査員(体育の成績で「2」を取った栄光を持つ)が一橋大学社会学研究科の坂上康博教授の元へ、お話を伺った!

 

「厳密にいつスポーツが始まったか、学問的には誰も簡単に答えられない問いですね」(坂上教授)

アーチェリーを例に取ると、弓はどの国でも昔から狩り道具として存在していたため、細かく切り取って「どこで」または「いつから」アーチェリーとするかは、定義付けが難しい。そこでスポーツ史の学者たちは、「近代スポーツ」という括り方で一つの区分を作っている。

 

「近代スポーツは、『統一ルールの制定』と『そのルールを統轄する組織の設立』という二つのメルクマール(指標)によって区分できます。その指標に基づいて見ると、多くは1870年代から1900年代に集中してイギリスで生まれていることがわかります」(同)

 

なるほど、ロンドン五輪開会式のスピーチではイギリスを「スポーツの母国」と表現していたのも頷ける。では、何故イギリスなのか?当時イギリスは産業革命の時代であり、巨大な権力を有していたが…。

 

「元々世界中に似たようなスポーツの種(たね)のようなものがあり、イギリスの種は特に極上だった。上流階級による『パトロンスポーツ』がそのような種を育んだのです。『スポーツの母国』となるためには、土地、栄養と他の条件も必要ですが、いい種があったことが大きいと思います」(同)

 

貴族自身がパトロン(後援者)となり、娯楽として使用人たちを選手として雇い試合をさせる。その後パトロンスポーツが賭けの対象になり、ルールが厳密化され洗練される。こうしてイギリスでは後に近代スポーツとして花開いたのだ。
しかしイギリスは近代スポーツの母国であるにも関わらず、強豪国と言われると少し違和感がある。

 

「開催国になり方針を転換したけど、イギリスは長年スポーツに対して国家的関与はしない態度を貫いてきました。確かに莫大なお金を掛けたら確実に強くはなる。だけどスポーツは個人で楽しむものという考えが長い間支配的であったと思います」(同)

 

パトロンスポーツが台頭した頃からプロの選手が生まれ、それに対抗するためにアマチュアリズムが生まれた。アマチュアリズムには、スポーツを個人の自由な意思で行なうものだというリベラリズムの思想も含まれている。それは、現在私たちが気軽にスポーツを楽しみ、盛り上がることを支えている。ありがたい話じゃないか!

(文=圓谷英明)

プロフィール
坂上 康博
SAKAUE YASUHIRO
一橋大学大学院社会学研究科教授。同大学で主にスポーツ社会学とスポーツ史を研究。
日本体育学会所属。

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