【2012秋号】違法ダウンロードの今後

2013年1月5日 記事の公開日時 6:00 pm

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【2012秋号】違法ダウンロードの今後
 
 

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STOP!違法ダウンロード!

  2013年施行の改正著作権法に先駆けて、今年の10月から違法ダウンロードが刑事罰化される。今までは違法であっても罰則がなかったため、ネットで気兼 ねなく違法にアップロードされた音楽や映画をダウンロードしていた人も多いかもしれない。だが、今後はダウンロードしたために逮捕されるなんてことも。不安に感じたマグ捜査員(情弱)は、違法ダウンロードの刑事罰化について学ぶべく、立教大学の上野達弘教授にお話を伺った。

 

「そもそも違法ダウンロードとは、違法なサイトと知りながらそのコンテンツを保存することを指します。ですから閲覧するだけなら問題ありません。また、今回刑事罰化されるのは有償コンテンツだけですし、録音または録画に当たらない漫画や写真などの画像や文書のダウンロードに関してはそもそも違法ではありません」(上野達弘教授)

 

  つまり我々は動画、音楽のダウンロードにだけ気を払えばいいということだ。また、CDのリッピング(MP3等にすること)はそのCDがコピーガード付きのものでなく、かつ私的な使用の範囲に留めるなら適法であるとのこと。なお、DVDのリッピングは10月から違法となり、禁止される。

 しかしながら、今になって刑事罰化されたのは何か理由があるのだろうか。

 

「2年前から録画、録音のダウンロードは違法になっていましたが、効力があまりありませんでした。そこで刑事罰化して違法ダウンロードの萎縮効果促進を狙った のです。と、ここまでが建前で。実は今回の違法ダウンロード刑事罰化は元々の改正著作権法案には含まれていなかったのです」(同)

 

 これには背景があり、関係団体等のロビイングにより著作権審議会の承認なく、違法ダウンロードの刑事罰化が突然決まってしまったらしい。そのため刑事罰化そのものだけではなく、その立法におけるプロセスも問題となっている。
 さて、違法ダウンロード刑事罰化、今後はどうなっていくのだろう。

 

「刑事罰化の範囲が拡大されていく方向にはあります。しかし今回の改正著作権法においても、違法ダウンロード刑罰化などの権利強化の面ばかり注目されていますが、写り込み(注)の適法化などによる権利制限も行われています。今後は、今回の刑事罰化の妥当性や立法過程の不透明さなどの問題の反省を踏まえながら、権利の制限と強化、そのバランスのとれた法律を模索することが課題となるでしょう」(同)

 

 さらに今後の立法においては我々ユーザーの声を反映させることも大切になってくると、上野教授は語る。多くのユーザーが主張をすれば、何か変わるのかもしれない。これからは1ユーザーとして我々自身の意見も主張していくべきなのではないだろうか。

注:他人の著作物が偶然、写真や映像等の背景に写り込むこと。

(文=藤本太羅)

プロフィール
上野達弘
UENO TATSUHIRO
立教大学法学部国際ビジネス法学科教授。研究分野は知的財産法関連。情報ネットワーク法学会他に所属している。著作権法学会では理事も勤める。

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