【2013春号】「美しい日本語」―― バンド「AJISAI」にインタビュー

2013年11月4日 記事の公開日時 7:00 pm

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【2013春号】「美しい日本語」―― バンド「AJISAI」にインタビュー
 
 

AJISAIの曲は「日本語の美しさについて知ってほしい」という思いのもと、歌詞が書かれている。

日本語の美しさ、魅力ってなんだろう。その疑問に彼らが答えてくれた。

この記事はMAG!2013春号に掲載されています。
詳しくはこちらをご覧下さい。

―結成の経緯を聞かせていただけますか?

松本俊(Vo、Gt):僕とドラムの山本太作が幼馴染で。中学生、高校生くらいの時からずっと一緒にバンドをやっていました。そのまま2人で東京に来て、音楽の専門学校に通って、いまのメンバーに出会ったという形ですね。

―そして2003年にシングルを出されました。

須江篤史(Gt、Cho):音楽の専門学校に通っていて、我々は演奏などをやるミュージシャン学科に通っていました。その学科での実習を兼ねて、「CDを出さないか?」というお話があって。流通なども全部含めて実習のうちに入っているんですけど。で、なにがなんだかわからないまま「いいっすよ」みたいな感じで「とりあえずやってみよう」ってなって。それが2003年。そのCDがお店に並んだときは凄く嬉しかったですね。そういうのが目標でやっていたので。お店に並んでいるとテンション上がるよね。
松本:まあ、今となっては黒歴史ですね(笑)。
須江:ジャケットがすごいんですよ。気持ち悪いです。
松本:でも当時は嬉しかったですよ(笑)。

―デビューから10年が経ちました。作詞は松本さんが、作曲は松本さんと須江さんが共同でやっていらっしゃるとのことですが、作曲と作詞で合わなかった…なんてことはありますか?

須江:メロディーに関してはここが気に入らないとか結構あるんですけど、歌詞に関しては彼が書いているのを信頼しているので、別に心配はしてないです。

―AJISAIのメンバーは曲を合わせるときまで、歌詞もメロディーも何も知らないというのを伺ったんですが?

須江:そうですね。松本が曲を持ってくるときに初めてどういう曲なのか、どういう歌詞なのかを知りますね。最近はメロディーと歌詞が同時に来るんですけど、昔は歌詞がなかったんですよ。だいたいラララとかで(笑)。なので歌詞は置いといてみんなでバラバラに曲をアレンジしてレコーディングする。そしてレコーディングしたあとに歌詞を乗っけるという形でした。それでたまたまメロディーと歌詞が合致することもあるんですよ。逆に曲の雰囲気と、歌詞の雰囲気が合ってないのもあって(笑)。でもそれはそれで、面白いなと思ってます。

―なんで教えなかったんですか?(笑)

松本:恥ずかしいというのがちょっとあって(笑)。でもいまはメンバーにこうしたいっていうのを出します。やっぱりメンバーが良いって思わないと、やっててもつまらないだろうし。

―曲はどうやって作るんですか? メロディーから…?歌詞から…?

松本:僕はどちらもですね。同時並行が多いんですけど、最初は鼻歌とかで作っていきます。ただ、歌詞に関していえば「作ろう作ろう」って思って言葉を探してもあんまり出てこないですね。ふとした時に出てくる言葉が一番良いんじゃないかな。普段の日常生活のなかで感じていることを言葉にする方が良いものができるんじゃないかなと思っています。それは自転車に乗っているときであったり、電車に揺られているときであったり、風呂に入っている時であったり。

―ちなみに自由時間は何をしているんですか?

松本:僕は家をあけることが多いので、家に居て出来なかったことをやりますね。映画を借りて観たり、本を読んだり。あんまり外には出ないですね。
須江:僕もけっこう似たりよったりで。テレビの録画で溜まってるやつを消化したり、本を読んだり映画見たり、夜はお酒を飲んだり。この間は夜の7時くらいから翌朝7時くらいまでバーでひとり居座って飲んでたりもしました(笑)。

―日常の普段から今の活動に繋がってたりとかありますか?

松本:僕はあんまりかなあ(笑)。仕事は仕事、プライベートはプライベートでしっかり分けたいです。曲を作るときも、あんまり家では作らないですね。なんとなく大まかなものは家で決めて、外に出た時、例えばライブに行ったときのリハの途中とかの空き時間とかで作ってしまうのが多いですね。
須江:そういう点で言うと僕はあんまり別れてないですね。パソコンを開いていると「あ、これやんなきゃ」とか思い出してしまったり。遊びでギター弾いてたら本気になっちゃったりとか。お酒飲んでたらいきなり曲作りたくなっちゃって書いちゃったとか。

―作曲をするときに煮詰まってしまったときはどうしますか?

松本:僕は…逃避します。考えてもダメな物はダメなんで。音楽以外の全く違う事をしますね。
須江:僕はどうしようも無いときには、その曲はなかっことにしちゃいますた、手直しすると良くなるっていうのもあるんですけど、それよりは一発で「これ凄くいいな」っていう感覚のある曲を作りますね。ちょっとでもそう思えなかったら全部捨てちゃう。

―曲を作るときに難しいと感じることはありますか?

松本:CDを聞いて理解してもらうのは簡単なんですけど、やっぱりライブで意味を理解してもらうということは意識してますね。そこが一番難しいところですかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

―日本語の美しさを意識しながら曲を作っているとお聞きしましたが、なぜ日本語にこだわっていらっしゃるのでしょうか?

松本:やっぱり、日本人なら日本語が一番伝わりやすいし、大して発音も良くない、喋れもしない英語を歌ってもね(笑)。自分で音楽やっててもよくわかんないし、聞いててもよくわかんないし。だったら聞いててちゃんと伝わる方が良いかなと。それを大事にしたいですね。

―日本語の持つ魅力っていうのはどのような点でしょうか?

松本:単語一つだけだとあんまり力を持たないんですけど、パズルみたいに組み合わせて力を持つ気がします。前後を入れ替えたりするだけで意味もけっこう変わりますから。あと意識しているのは、「どれだけ簡単な言葉で、難しい感情を表せるか」っていうことですね。簡単な言葉が一番伝わるんですよ。それをいかに簡単そうに伝えずに、考えさせるような言葉にするのか。例えば、「ずっと一緒にあなたといたい」ということを言うときに「あなたのシワがひとつひとつ増えるのを全部知っておきたい」っていう風に。ストレートな言葉より、ちょっとハッとくるんじゃないかと思っています。

―どちらかといえばメロディーを変えるというより、言葉の方を変える場合が多いですか?

松本:それは必要に応じてですね。前はメロディーよりも歌詞を重視するっていう考えだったんですけど、最近はそうじゃなくなってますね。本を書いているだけだったら言葉だけ重視していれば良いんですけど、音楽に乗せている以上はメロディーもすごい重要なので。

—最後にお二人にとって日本語とは?

松本:人類史上最大の発明!
須江:僕たちの音楽を伝えるという意味で、日本語は我々の武器ですね。

(文=並木伸賢)

プロフィール
AJISAI
2002年6月結成の4人組バンド。グループ名はアジサイの花のように寂しさの中にも華やかさや力強さを表現したいと命名したが、実際には、初めて作った曲が「紫陽花」だったから、バンド名も「AJISAI」にしようという理由で命名している。「日本語の美しさを知ってほしい」という思いのもと、歌詞が書かれている。

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