【2013春号】シンガーソングライター・山中さわおさんインタビュー【中編】

2013年11月29日 記事の公開日時 6:00 pm

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【2013春号】シンガーソングライター・山中さわおさんインタビュー【中編】
 
 

この記事はMAG!2013春号に掲載されています。
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「意味はね、ここぞという所が、1行2行すごい力を持ったところがあれば満足するかな」

高校時代までを北海道で過ごし、20歳のときに上京。1989年にthe pillowsを結成後、1991年にメジャーデビューした。
それからメンバーの脱退、それに伴う約1年間の活動休止や、商業的な戦略の失敗などを経て、「自分たちの音楽を信じる」という形での方針転換。
その後は他の音楽家への楽曲提供や海外ツアー、日本武道館でのワンマンライブなど、さまざまなバンド活動を続けていた。
そして2012年7月に活動休止を発表。山中さんはソロ活動に入った。

「the pillowsとしては休みが必要だったけど、僕には必要がなかったから。それに楽しみたいということかな。自分で自分のバンド好きでいたり、自分のCDを好きでいて、ステージに立って達成感を感じたい」

そこで完成したアルバムが「破壊的イノベーション」だ。ソロアルバムでは英語詞が基本だったが、今作には日本語での歌詞が数多く収録されており、以前のソロアルバムとは一線を画している。

「今回のアルバムはソロでの1stアルバムや2ndアルバムとは全く違う作り方をしたね。前回まではthe pillowsと並行していたので、B級C級でも愛情があるものや自分の趣味っぽいものを入れてた。もちろんA級のものができたらthe pillowsに取っておいて。

だけど、今回はthe pillowsを初めて休む、アルバムを作ってツアーを回るということなので、気持ち的にはthe pillowsと全く同じものを作ろうと思ったんだよね。要するに、活動休止していなかったら今年のアルバムはこれだったていう。

立ち向かう姿勢としてはthe pillowsの新作を作るように作ったっていうことだから、そこの違いがあるだろうね」

 the pillowsの一員としてデビューしてから、「Please Mr.Lostman」「MY FOOT」「TRIAL」など、25枚以上のアルバムをリリースしてきた。
そのほとんどの作詞作曲を山中さんが手がけ、他のアーティストにも楽曲提供する。なぜこんなにも曲を書けるのだろうか。

「すごく子どもっぽい発想で動いてるんだと思う。何か強烈にカッコイイモノを見て、憧れて、ちょっとそういう曲作ってみようかなと影響を受けやすいので。あとはなんの目的もなく作ってしまうこともあるし。

今でもthe pillowsで使わないようなジャズとかを作っちゃうんだよね。で、『これどうするんだろう?』みたいな(笑)。でも10年ぐらいかけたら結局出番がきたりするんだよ、違うアレンジが思いついたり」

 

山中さんはたくさんの曲を書き、世に出していない音楽も数多く存在している。the pillowsとソロアルバムを並行して制作していたときには「ちょくちょくレコーディングすればできた」と言うほど、基本的に休みを必要としていない。音楽が好きなのだ。

「海外ツアーとかも別に何となくの事だなっていう。いつもは新宿で飲んでいるところを、今日張り切って西麻布で飲んでいきましょうぐらいのことなんだよ(笑)。

うーん、自分を喜ばす新曲を作り続けて、そういうCDを完成させたいっていうのが大きいかな」

では曲はどのように作っているのだろうか?

「曲を作るときにはギターで作ってます。ギターでリズムを取ってメロディーをそのあとに歌詞を乗っけていくね。歌詞はあと。

メロディーとリズムがないのに言葉が出てくるということはないね。ただ人よりも、リズムやメロディーに対する歌詞のフィット感っていうのにこだわりがあると思う。

『ぼくらは』っていうメロディーなんだけど、そこに『ぼく』しか言わない時には耐えられない。なんでぴったりになる言葉にしなかったんだっていう。でもこれは山中さわおルールなので(笑)。

あとこれは出来れば避けたいんだけど…例えば、神様の神って『ミ』を下げて歌いたいじゃない。もし、『ミ』を上げて歌うと、どうしてもヘアーだとかペーパーのような気がしちゃうから。で、もしもそういう風にメロディーとフィットしないなら、その歌詞は諦めるね。でも世の中にはこういった曲がいっぱいあって、誰も気にしてないからヒットしてるんだろうな(笑)」

ただし意味にはあまりこだわらない。

「意味はね、ここぞという所が、1行2行すごい力を持ったところがあれば満足するかな。基本的に冗談みたいな部分が多いから。『高所恐怖症パイロット』とか、何かを表している訳じゃなくて口がすごく気持ちいいというか、ピッタリくる。

英語なんてゴッコだよね。英語なんてさっぱりわからない(笑)。欧米の音楽には憧れの人がいっぱいいるからさ、その好きなアーティストのような曲を作って、それも英語で歌ったほうが憧れに近づいたような気がするじゃない。

だからレコーディングして自分で歌うのも好きだし、そして出来たものを聞くのも好き。だけど作るのは大嫌いだね(笑)。

ここが合ってないとかで、いつも賢い人に突っ込まれるし。でもそこまでマジじゃねぇんだよな。もう冗談、ゴッコなんだから(笑)」

 

「そういえば…」と、言っておもむろに携帯を取り出す山中さん。歌詞は携帯で書いているらしい。

「そう。ガラケーでね(笑)。寝っ転がって歌詞書いてる。威厳ないでしょ(笑)」

後編に続く

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