『京騒戯画』松本理恵監督、関弘美プロデューサーにインタビュー
「今日を騒がしく戯れ生きる人々の漫画映画を作った人たちの話を聞こう」(後編)

2014年3月23日 記事の公開日時 6:00 pm

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<br>『京騒戯画』松本理恵監督、関弘美プロデューサーにインタビュー </br> 「今日を騒がしく戯れ生きる人々の漫画映画を作った人たちの話を聞こう」(後編)
 
 

関弘美プロデューサー
「松本さんが作る世界観は、人間に対して『肯定的』。」

―監督ご自身についてお聞きしたいのですが、東映アニメーションに入社して作品を携わることで感じたものはありますか?

松本監督

私はあまりアニメをたくさん見ないで会社に入ってしまったんですね。なので、会社に入ってから、アニメのシリーズ制作とか色々教えてもらい、知らないだけでよく出来ているシリーズがたくさんあるんだなあと。これだけまともなものを作って世に出している人たちが業界にいっぱい存在するということに、素直に感銘を受けました。

―作品を作るにあたって常に心がけていることは何でしょうか?

松本監督

田中一光さんというデザイナーの方がいまして。デザインを職業にしている限りは、そのスポンサーの目的なり社会的なメッセージ性が必ず出てくるので、デザインはアート活動ではないという話をされていたんですね。入社したてぐらいに聞いて、私はその言葉に感動して、私も出来るのだったらそういう作り方をしたいと思ったんですよ。アート、自分の中の芸術から作品に寄せていくということではなく、(スポンサーから)求められているものの中に、自分の感性とか、個性とかを入れていく。
『京騒戯画』についても、「ご自身の目指してる作品が…」や、「芸術性が…」という話をよくされるんですが、私は芸術家でもないし、『京騒戯画』のスポンサーさんからの望みがあるわけです。任せられた限りは、その望みになるべく合う形で、自分がやれるベストを提示したい。私はこうしたいから、絶対にスポンサーが言っていることはやりたくないとか、そういうことはないですね。

―関プロデューサーにお聞きします。松本さんの魅力は何でしょうか。

関プロデューサー

完成したてのプリキュアの映画を観た時に、感じたことが一番大きいと思うんですけれど、松本監督の作る作品は、すごく優しい作品だなと思いました。これを言うと本人はそんなことないです、とか言うかもしれないんですけれど(笑)。プリキュアはある種、勧善懲悪の世界なんです。だけど、彼女は、やっつければ良いとしている悪を「悪」として捉えるという作業にしない人だなと感じました。プリキュアの世界観の中で、戦って敵を倒すことが正義として語られている世界観とは違う世界観を一つ提示していると。それは、私が昔携わったおジャ魔女どれみシリーズと似ていたんです。
松本さんが作る世界観は、人間に対して「肯定的」なんです。自分のことは否定しがちに話す人なんですが、初めて彼女の作品に触れたとき、彼女は人間の根本的な深い部分について描くことが好きなんじゃないかなという気がしました。その頃からずっと一緒にやってみたいなと思っていましたね。だから『京騒戯画』に携われる機会に恵まれて、棚から牡丹餅のように、ラッキーでした(笑)。

―実際に松本監督と仕事をされて、手応えや、上手くいったと感じましたか?

関プロデューサー

そうですね、スケジュール的に結構大変なこともありました。作っている最中、私何回も彼女と喧嘩して、彼女も反論しましたし(笑)。でも、それが「作る」という仕事ですし、そういうことも含めて非常に楽しかったです。

―最後に、『京騒戯画』を見ていたファンに一言お願いします。

松本監督

なにか一箇所でも面白いなと思えたら、それは覚えていて貰って、後になって何かする時に、ちらっとでも思い出して貰えたら嬉しいです。

関プロデューサー

松本さんは『京騒戯画』を作り終えましたけれども、『京騒戯画』で松本さんに興味を持った方には、今後の彼女の活躍にも色々注目していただけるとプロデューサー冥利に尽きますね。

―ありがとうございました!

プラスα

―関プロデューサーは早稲田大学出身ということで、早稲田大学の在学中の思い出は?

関プロデューサー

ぷらっと受けた教養課程の授業の中で、演劇の戯曲等を教えていらっしゃる先生の授業があったんです。そこでカバレッジ(様々な脚本を分析し、報告書を作成する)という手法を思いがけず教わりまして。アメリカの演劇や映像を専門とする大学では、すでに行われていた授業だったんですけれども、当時の日本ではどこの大学でも行われていない授業でした。それを教えてくださった先生に巡り会ったことが私にとっては一番大きいことだったかなと思います。どこにどういう巡り会いがあるか分からないという一例ですね。

―松本監督は、大学へ進学せず、東映アニメーション研究所に入所しましたが、もし大学に入っていたら自分は何をしていたと思いますか?

松本監督

小松和彦さんが好きなので、小松さんがいるところに進学したら、それはそれでおもしろかったのかもしれないな、とたまに思います。

 

 

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(文=圓谷英明)

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