【2013秋号】宮本恒靖氏インタビュー 「2014年ワールドカップへ。元日本代表主将の言葉。」(後編)

2014年6月3日 記事の公開日時 5:00 pm

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【2013秋号】宮本恒靖氏インタビュー 「2014年ワールドカップへ。元日本代表主将の言葉。」(後編)
 
 

この記事はMAG!2013秋号に掲載されています。
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キャプテンとしてできること、気をつけていること。
勝つためにどういうことをしたら良いのかなということを考えてましたね

「勝っているときはそんなに仕事もないんですよね。負けているときとか雰囲気が良くない時に、じゃあどうしようかなと。勝つためにどういうことをしたら良いのかなということを考えてましたね。そのために選手によってアプローチの仕方を変えて接するとか。20歳の選手と日本代表に選ばれるの選手の持っている個の強さやプライドの高さは違ってくるので。他には、その選手がどう思っているかという情報を集めて、こうしたら良いなというのを監督に伝えたり」

 

ただ、キャプテンとして特定の人を参考にするわけではなく、それぞれの長所を自分の中に取り入れながら自分の理想のキャプテンを追求してきた。そのキャプテンの仕事も、日本代表とクラブチームでは異なってくるという。

 

「代表に来る選手はある程度経験もあるし、選手としての能力も高いので、それほど言う量も多くないですね。それに同じ場所で過ごす時間も多くはないので。クラブは毎日顔を会わせますし、若手の選手に声をかける必要もあるだろうし。日々のJリーグの成績によってやる仕事も違うだろうし。仕事量はクラブのキャプテンの方が多いでしょう。そういった量の違いはあると思います。とはいえ、代表ではどういったタイミングでミーティングを開くとか、あまりコミュニケーションを取れていない選手とどのタイミングでどうやってコミュニケーションを取るかということを考えたりするので、そこは難しいですね」
miyamoto

今の日本代表、さらに将来の日本サッカーに向けて。

「今の代表には凄く質の高い選手は揃っていますね」

 

とのこと。とはいえそれだけではないようだ。

 

「ただ試合中はボールを持っていない時間の方が多いですよね。人の動き方やスペースへの入り方、そういうことをみんなが意識してもっとやれればなと。例えばこの間のグアテマラ戦(9/6、日本代表が3−0で勝利)の前半にしても、グアテマラが人をかけて守っていて、同じ攻め方で打開できないというのであれば、やり方を変えることも出来たと思います。そうすれば前半のうちに点を取れるチャンスはあっただろうし。そういうところは少し足りないかなと感じる部分ではありましたね」

 

最近では選手間の競争も減ってきているとのこと。やはり改善できることはまだまだある。では、宮本さんが長年プレーしてきたセンターバック(CB)は海外で活躍しづらいという現状がある。

 

「海外ではサイズとスピード、コミュニケーション能力が求められるのが難しいですね。でもその前に日本のサッカーが将来的にCBのポジションをやるであろう選手を育てていないということもあります。今はまだFWや前線の選手を育てる傾向にあるし、CBまではいっていない。また、CBだけじゃなくFWも結果を出せていないということを考えると、FWに良いFWがいないので、良いCBが育たなくなっているとも言えるでしょうね。やっぱりレベルの高い人とやると違ってくるので。今後は、代表の強化という点で、CBの選手は海外に出て行くべきですね。そういう意味で吉田麻也の持っている使命は大きいと思います」

 

CBの育成だけに留まらず、日本サッカーを考えると他にも大切なことはある。

 

「協会やリーグが中期的長期的なプランを持って何かターゲットを作ってやっていくことは大事な部分だと思いますね。あとは、お金をどういう風に生み出すかということは大切だと思います。お金を生み出すための努力は、日本のサッカー界全体でもう少し広い視野に立って見る必要があると思います。ヨーロッパではお金を生み出すための努力、サッカーだけじゃなくてラグビーにしろ他のスポーツにしろ、スポーツビジネスというところは先を行っているので。あんまりお金お金と言うのを日本の人は嫌う傾向がありますけれど、そうではない見方が出てくれば良いなと思います」

 
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最後に大学生に一言お願いします。

「大学生生活でできることはたくさんあると思うので、自分でターゲットとか、時間を費やせるものを見つけてやってほしいなと思います。なんか時間が勝手に過ぎていくというのはもったいないなと思いますし。海外を見てくるのもひとつだろうし、有効に使ってもらいたいです」

 

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宮本恒靖の、今

―宮本さんにとっての日本代表とは?
試合前に君が代を聞くと言葉に表すのが難しいくらいやらなきゃいけないという気持ちが出てくるし、燃えたぎるものが出てくる空間、時間ですね。振り返ってみると本当に良い時間だったなと思います。それに日本代表の結果で、ものすごい人の喜びようが見られたり、その分悲しみもあるけれども、そういった国民の気持ちを左右する大きな力を持った存在だと思います。

―今、一番注目している若手の選手を教えてください。
柴崎岳は良い選手ですね。技術がしっかりしているのと、サッカーの頭が良いなというのは感じましたし。頭が良い選手が好きというのもあるんですけど(笑)。

宮本恒靖
1977年2月7日生まれ、大阪府出身。1995年、ガンバ大阪のトップチームに昇格すると、2006年までガンバ大阪で、センターバック、ボランチとしてプレー。その翌年にはレッドブル・ザルツブルクへ移籍し、2009年にヴィッセル神戸へ移籍し日本サッカーへ復帰。2011年に現役を引退した。キャプテンとして2002年日韓ワールドカップ、2006年ドイツワールドカップに出場。2004年、キャプテンとして出場したアジアカップで優勝、さらに2005年にはガンバ大阪でリーグ優勝も経験している。2013年、日本人元プロサッカー選手として初めてFIFAマスターの卒業生になった。

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