【寄稿】企業の中で女性として生きる

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2014年10月20日 記事の公開日時 5:00 pm

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【寄稿】企業の中で女性として生きる
 
 

この記事はSports Of Japan様からの寄稿記事です。

 

2011年、卓球台や遊具を制作している株式会社三英が立ち上げたセカンドブランド「Wapper」。 それを取り仕切るのは女性社員の奥山麻里さん。

現在「Wapper」は、卓球のブランドであるにも関わらずハローキティで有名なサンリオとのコラボ商品を販売している。今までの卓球業界で初めての試みだ。

女性として卓球業界に新たな切り口をもたらした奥山さんに、男性社会の中で積み上げてきた女性としてのキャリアについてお話をお聞きした。

――本日はよろしくお願いします。

お願いします。

――ではさっそくお聞きしますが、現在の女性社員としての立ち位置はどうですか?

三英が本格的に女性の営業マンを入れたのは私が初めてなんです。でもそれをきっかけに三浦社長はパート社員をみんな正社員に変えましたね。

それによってきちんと働きたいっていう若い女の子が増えました。女性同士でおしゃべりできて、お互いの大変さもわかるようになってきました。
だから三英にとって前より女性社員がいやすい空気感になったと思います。

――女性社員がいることで男性社員への影響は?

多分いいことだらけですよ。女性がいることでいままで気にしなかったことを気にするようになりますよね。においとか食事とか。

あとは女性社員を意識してしっかりやらなきゃって思いますし、男性も女性がいた方が楽しそうでした。女性がいると空気が変わるような気がします。

――アイデアの幅も変わりますかね?

そうですね。サンリオとのコラボも男性だけだったら生まれてないかもしれませんね。

女性の感覚を取り入れることで、よりワクワクするものづくりができれば最高です。男性はハローキティのTシャツなんて普段はあまり着ないと思うけど、男性社員に着ていただくと想像以上に評判も上々でした。

こんな風に可能性が広がっていくことでこれまでの固定概念を外して常に新しいことへの挑戦ができると感じております。男性だから分からないって割り切らないで、興味を持ってほしいですね。

――働いてみてわかったことは?

男性と同じように働くことでその立場の気持ちがわかるようになります。そうしたら夫と仕事についていろいろ話ができたり、ケンカするところがケンカしなくてよくなったり。

もちろん専業主婦も仕事の一つです、仕事をすることは自分自身の生き方を見つけるためにとても必要なことだと思っています。

あとは、女性でもしっかり仕事を確立していけるっていうことが分かりました。でも世の中的にはまだまだですね。女性にある責任を持たせて仕事に従事させるという点に関してはまだまだ環境が整っていないんです。

――女性が社会に出て働くことが難しいとされている原因はなんでしょうか。

女性というところに目を向けると、メンタル面の問題だと思います。女性って実はメンタル面のバランスをとるのがすごく難しいかもしれません。

たとえば、若ければ若いほど異性との関係に左右されやすいですし精神的な浮き沈みは私もありました。でもマネジメントする側には精神的な安定がすごく必要ですよね。

それは女性の弱みかもしれないけれど、逆に言うとそのバランス作りができる環境が必要です。女性をすごく大切にしてほしいんです。そのための政策が根本的には必要だと思います。子供を産んで、子供を育てて、そこに愛情を持つ心の豊かさを養えるのは女性の強みでもあります。

それと仕事を両立できるように社会が変わっていってほしいです。

――男性だらけの中で働くことの苦悩もあったのでは?

男性社会の中で仕事をしてきているので、もちろん様々なことがありました。本当に大変なところをくぐってきました。でも同時にかわし方も身に着けてこれました。どんなにあがいても男性の社会だなって感じたから、女性らしさを武器に仕事に生かそうと思ったんです。

「女」を武器に、ではなく「女性らしさ」を武器に。

その女性らしさっていうのは、女性の持つ母性本能からでる優しさや慈悲深さなどです。男性にそれがないっていうわけではないけれど、殺伐とした中で少しほんわかしたものをエッセンスとして入れることは私にもできるかなって思いながら仕事をしていました。デザインする時も、女性らしさをいれようとか、尖った中にも丸みを帯びたものにしようというふうに思っていました。

――前向きな捉え方ですね。

そうなんですけど、私は「前向き」という言葉が好きじゃないんです。どんなことでも「前向き」に捉えるっていうのは少し違くて、「好き」になりたいんです。心を寄せていきたい。どんな人にも、どんなものにも。そう思っています。

――体育会系の部活動出身者へのアドバイスなどありますか?

私の部下もアスリート出身ですが…ものすごい試練を越える術を知っていて素晴らしい精神力だと感心します。

ただ、レベルの高い選手ほどモチベーションを下げないように、またはモチベーションを上げられることへ集中しすぎてきています。

選手時代はそれでよかったかもしれませんが、社会は嫌なものでも受け入れなくてはならない時があり、理不尽なことも多くあります。だからこそ、鍛えぬいた体力と精神力で、優しさとおおらかさと、様々な体験を通して大きな一歩を踏み出す勇気を忘れないでほしいと思います。

――では最後に、今後の展望についてお聞かせください。

会社としては、社長の目標でもありますが、世界の人々に商品を届けていきたいです。

個人的な展望としては、まだ経験していないことを貪欲にやって、新しい境地を開いていきたいです。ここでいいやって思ったことはありません。自分自身にブレーキをかけたことはないです。まだまだ多くの経験をして参りたいですし、何よりも素晴らしい方々と巡り会えることが一番の宝物ですね。過去に答えをだすことってできないと思うんです。

今目の前にあるものを一つずつ、私なりのスピードで私なりに積み重ね、いつまでも一歩踏み出す勇気を持ち続けていきたいと思います。

――本日はどうもありがとうございました。 ありがとうございました。

Wapperのコンセプトは「卓球の可能性を広げる・本気で遊ぶ」だそうだ。商品を通じて多くの人が卓球に触れてほしいと言う。女性の目線で新しいことに挑戦し続ける奥山さんから今後も目が離せない。

【奥山麻里】

相模女子大学卒業後、1988年ファッション専門雑誌Gap Japan 企画プランナーとして、国内外の各アパレルメーカーの企画展/カタログ制作/ショープロデュース等多岐にわたり活躍。その後、家業である建築の現場で引き続き営業スキルを磨きながら、希少価値である革素材を使ったブランド「レイハートプロジェクト株式会社」を設立。イタリアフィレンツエで年二回開催されるPITTI UOMOへ3シーズン出展。 その経験を活かし、2012年株式会社三英に入社し、新規ブランドであるWapperの立ち上げ〜製品の宣伝/営業のマネージャーとして活躍。

【Wapper】

「Wapperブランドの販路拡大・海外進出」と「卓球文化の訴求」を目指し、過去の慣習や常識にとらわれない独創的な発想・デザインが魅力で、卓球に馴染みのない人も思わず手にとってみたくなるようなアイテムを提供するブランド。

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