【2014秋号】深夜ドラマから見えてくる! ! これからのドラマの在り方とは! ?

2015年2月25日 記事の公開日時 6:00 pm

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【2014秋号】深夜ドラマから見えてくる! ! これからのドラマの在り方とは! ?
 
 

自由なドラマの形へ

最近よく叫ばれている若者のテレビ離れの中で特に苦戦している、テレビドラマ。しかし、そんな苦境の中で注目を集めているのが深夜ドラマである。そこで、その理由とこれからのテレビドラマの展望を探るべくマグ捜査員(オダギリジョー好き)は、ドラマ評論家の成馬零一さんにお話を伺った。

「まず、深夜に何となくテレビを見るという若い人たちの生活習慣にうまくフィットしているのが深夜ドラマなのだと思います。あとは、作り方ですね。例えば、テレビ東京の深夜ドラマは民放テレビ局とは異なり、制作会社が主導で作られる事が多く、映画監督が全話手掛けることもある。なので、質や作家性、完成度の高い作品を作れるんです」(成馬零一さん)

ちなみにこの傾向は90年代のアニメによく見られたという。深夜ドラマはDVDなどのソフトで制作費を回収することに重点が置かれているが、このスタイルもアニメのそれを追いかけているのだそうだ。

さて、深夜ドラマの盛り上がりに対して気になるのが、ゴールデンタイムのドラマの不振ぶりである。これはゴールデンタイムのドラマの質が落ちてしまったということなのだろうか。

「質自体は上がっていると思います。でも、一週間のうちの決まった時間、それも忙しい時間帯に見なくてはいけない、という放送形態に視聴者が付いていけなくなっているのです。一方で今の若い世代はソーシャルメディアを使ったリアルタイムでの盛り上がりを重視しますので、テレビの見られ方自体が変わってきているのです」(同)

ネットという新たな媒体が強い力を持ち、視聴者が変化した状況の中で、今後のテレビドラマはどうなっていくのだろうか。

「今のテレビドラマは、すごく微妙な過渡期にあります。将来、視聴率は今以上に取れなくなるでしょうね。民放テレビ局の制作能力も落ちているので、NHK以外では個別に制作委員会を設けている深夜ドラマしか残らない可能性はゼロではないです。しかし、深夜ドラマにも限界はあると思います。一人の監督が全体をコントロールしようとするあまり、想定した枠以上のものにならないんです。視聴者の反応を反映したライブ感があった方が面白くなる可能性もある。だから大事なのは、作っている側がちゃんと発想を変えて、ネット配信との連動を考えたり、テレビ局、テレビドラマ、さらにはテレビという単語からいかに自由になるかということだと思います」(同)

テレビ局が主導権を握っていた時代から、深夜ドラマのように制作会社がドラマを作る時代へ。そして、更に新しく自由な形へと、ドラマは日々変化している。その変化を見守りつつ、ドラマのより良い形について考えてみることのも一つの楽しみ方かも?

(文=若林聖彩)

プロフィール
成馬零一 NARIMA REIICHI

ライター、ドラマ評論家。

著書に「キャラクタードラマの誕生」(河出書房新社)「TVドラマはジャニーズものだけ見ろ!」(宝島社新書)などがある。また、数々の雑誌やWEBでもテレビドラマ、映画、アニメ、音楽等についての執筆活動をしている。

 

 

 

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