ゆとりじゃないの? 「さとり世代」ってなに!?

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2015年5月24日 記事の公開日時 5:00 pm

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ゆとりじゃないの? 「さとり世代」ってなに!?
 
 

「さとり世代」の生態を暴く!

近頃「さとり世代」という言葉が現代の若者を指す言葉として用いられている。また、それに関連して、「ぼっち」が度々話題に上がる。「ぼっち」をはじめとする、さとり世代とは一体何なのだろうか。興味を持ったマグ捜査員(THEさとり世代)は、マーケティングライターの牛窪恵さんに「さとり世代」についてお話を伺い、その実態に迫った。

さとり世代」とは、どのような世代で、どのくらいの年齢層のことを言うのだろうか。

「元々『さとり世代』というのは2ちゃんねるで生まれた造語と言われ、誰が造ったのかは分からないんですよね。『さとり世代』は物を買ってもすぐに飽きるだろう、恋愛しても良いことがあるとは限らないだろうと考える傾向があって、まさに『悟っている』ようだ、ということなのでしょう。『さとり世代』は『ゆとり世代』、つまり小・中学校でゆとり教育を受けた現在18〜26歳くらいの人たちに当たります」(牛窪恵さん)

なるほど、「さとり世代」は「ゆとり世代」とほぼ同義であり、「さとり世代」の若者が、「賢い」「悟っている」自らを形容して「さとり世代」と呼ぶようになったということか。
ところで「ぼっち飯」など、一人でいることが「ぼっち」と形容されるようになり、「さとり世代」と関連して度々話題に上がっている。これはなぜなのだろうか。

「『さとり世代』は子どものころからインターネットの存在が当たり前で、基本的には常に誰かと緩く繋がってきた世代なんですよね。だからこそ、誰かと緩く繋がれなくなるということへの漠然とした不安感が生まれる。『ぼっち』という言葉自体のちょっと寂しいニュアンスはそれに由来するのでしょう」(同)

「さとり世代」は就活難などの社会不安や、いじめの不安などによってネットでの緩い繋がりを必要としている。繋がりが当たり前であるからこそ、一人でいること=「ぼっち」は強調されているというわけなのだ。ちなみに、「さとり世代」で流行っている「コミュ力」というコミュニケーション能力を表す用語は、学校において生徒の間の人気の度合いを表す序列を意味する「スクールカースト」と深く関連があり、自分のコミュ力の高さで、学内での地位が決まる傾向を、と牛窪さんは指摘する。
では、少子化問題も叫ばれる昨今だが、ネットと結びつきの強い「さとり世代」の恋愛にはどのような傾向があるのだろうか。

「恋愛に過剰な期待をしていない、賢い世代です。『さとり世代』から『コスパ』という考え方が顕著ですが、恋愛は相手に尽してもリターンが少なく、先が読めないものと考えれば、最も『コスパ』が低い行為と言えます。よって、恋愛意欲自体がかなり落ちこんでいるのではないでしょうか」(同)

「コスパ」とは、「コストパフォーマンス」の略語であり、ある物事の費用とそれに応じた報酬(能力)の割合を言う。さとり世代は賢く、先のことまで考えてしまうからこそ、恋愛をしたがらないということか。リアルの恋愛ではなく二次元での恋愛にはまる若者が多い理由もここにありそうだ。
では、そんな「さとり世代」が社会でうまくやっていくにはどうしたらいいのだろうか。「ぼっち」で「さとり世代」の我々に向けたありがたいアドバイスをいただいた。

「例えば会社で、上司が理解できないこと言っていると感じた時は『バブル』と『さとり』、どちらの立場も分かっている40代前半の『団塊ジュニア世代』に相談するのは手だと思います。若い人の感性はこれからの世の中で絶対必要なので、『さとり世代』の社会貢献意欲とか『コーズ・マーケティング』(商品の何割かの代金が寄付に当てられるなどと謳う販売促進スタイル)のような「競争より思いやり」の発想を、どんどん前に出していってほしい」(同)

目立たないようにしてきた「さとり世代」にとって、意見を求められる会社はなかなか厳しい世界かもしれない。しかし、メールなどの事前の根回しや信頼できる団塊ジュニア世代に相談することで状況は変えていける、と牛窪さんはお話を締めくくった。
さとりは意見を持っていないわけではない、ただ場の空気を気にして言えないだけである。ぜひ先のことまで考えられる賢い世代だと自信を持って、社会の荒波を越えていってほしい。
(文=濱名満智)

プロフィール
牛窪恵(USHIKUBO MEGUMI)
マーケティングライター、世代・トレンド評論家。インフィニティ代表取締役。財務省財政制度等審議会専門委員。トレンド、マーケティング関連の著書を数多く執筆している。「おひとりさま」、「草食系(男子)」などを世に広めた。
著書に『大人が知らない「さとり世代」の消費とホンネ』(2013 PHP研究所)や『男が知らない「おひとりさま」マーケット』(2004 日本経済新聞出版)ほか多数。

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