なんで一人旅?一人旅を好む理由とは

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2015年5月25日 記事の公開日時 5:00 pm

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なんで一人旅?一人旅を好む理由とは
 
 

一人旅急増中!

近頃、巷では「一人旅」の流行が見られる。例えば、大手旅行代理店で一人旅ツアーが組まれたり、一人旅が特集されたりと、一人旅は身近なものになりつつあるような印象を受ける人は少なくないのではないだろうか。一人旅が好まれるようになって来た理由として、どのようなものがあるのだろうか。また、一人旅をする人は一体どんな人なのだろうか。興味を持ったマグ捜査員(一人旅は未経験)は、目白大学の渋谷昌三先生に一人旅の実態を暴いてもらうべく、お話を伺った。

「一人旅が好まれるようになった要因として、まず第一に、一人でいることがプラスに捉えられるようになったことが挙げられるでしょう。『一人焼き肉』や『一人鍋』といったように、「一人◯◯」というカテゴリーが新たに生まれたことで、一人で何かをすることに対して冷ややかな視線を送る人が減り、世間的に認められた存在となったのです。第二に、パソコンやスマホなどの普及が挙げられるでしょう。これにより、離れた人ともインターネットを通して繋がっていられるので、孤独感をあまり感じることなく気軽に一人旅できるようになったと考えられます」(渋谷昌三先生)

たしかに、最近では一人カラオケ専門店や、食堂に一人専用席が設けられる大学があることから考えても、「一人」の時代が来ているのだろう。また、インターネットが普及することによって、一昔前の一人旅とは様相が変わっているようだ。では、現代において一人旅を好む人の特徴とはどういったものなのだろうか。

「人間は大きく分けて、ストレスが溜まった際に群れをなすタイプと一人になるタイプの二種類があります。一人旅を好む人は後者のタイプと言えるでしょう。前者は友達と遊ぶなどして気持ちを落ち着かせるのに対して、後者は自分を見つめ直すことで気持ちを落ち着かせるのです」(同)

集団での旅では、群れていること自体に大きな意味がある。それに対して、一人旅は自分を見つめ直すことに大きな意味があると言う。
しかし、ただ自分を見つめ直すだけであれば、一人旅をする必要性はない。家に籠っているほうが自分と向き合えるのではないだろうか。人はなぜ旅に出かけるのかを伺った。

「人間は新奇性を求める生き物です。簡単に言えば、新しいものに興味を持つ生き物なのです。旅には新たな出会いなどの新奇性があるため、人は旅をしたくなるのでしょう。また、いつもと違う環境に身を置くことによる日常の再確認や、いつもと違う環境を乗り越えることによる達成感の獲得などを旅の目的としていることも多いです。ただし、日常の安定したルーティンワークの中で、居心地よく過ごしたいという人もいるので、旅に行きたがらない人も少なくないでしょう」(同)

どうやら、人が旅に出かけたくなるのは本能的なもののようだ。 たしかに、新商品はなんとなく買ってしまうし、入学式はわくわくしてしまう。一人旅に出る目的の一つには「心のリセット」があり、日常生活では仕事や人間関係において様々なストレスが発生する。その場合、誰にも迷惑をかけずにストレスを解消する最適な手段が一人旅なのだ。一人旅をしたくなる理由はここにあるのだろう。
最後に、一人旅のメリットについて伺った。

「そもそも、旅は日常から離れているため匿名性があります。つまり、旅先での多少の失敗は日常で関わり合う人間に知られることはあまりないのです。一人旅は集団での旅よりもさらに匿名性が上がります。また、旅を通じた新たな自分の発見を他人に見せずにいられます。さらに言えば、旅先では必ずと言っていいほど知らない人と会話することになります。コミュニケーションスキルを上げたいと考えている人は、思い切って一人旅に行ってみるのも良いかもしれません」(同)

やはり、他人の目を気にする人には一人旅が良いようだ。また、渋谷先生によるとコミュニケーションスキルは親しい人とずっと一緒にいても上がらないのだそうだ。日常では知らない人と話すことが難しくても、旅先でなら恥を捨てられる。まさに、「旅の恥はかき捨て」である。
「可愛い子には旅をさせよ」ということわざがあるように、旅は人を成長させる。一人旅ならなおさらだろう。成長したい、一歩前に進みたいと考えている人は、「一人旅」という手段を用いるのも悪くないのでは?
(文=山内裕太)

プロフィール
渋谷昌三 (SHIBUYA SHOZO)
目白大学社会学部社会情報学科教授、大学院心理学研究科教授。専門は社会心理学で、対人場面における非言語コミュニケーションの機能と役割を主な研究テーマとしている。
主な著書は『電車の中を10倍楽しむ心理学』(2014年 育鵬社)や、『今日から使える 心理学』(2013年 ナツメ社)など。

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