「本当」の性格ってなに!? 今あらためて性格について深く迫る!

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2015年10月11日 記事の公開日時 4:00 pm

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「本当」の性格ってなに!?  今あらためて性格について深く迫る!
 
 

この記事は2015春号に掲載されています。
詳しくはこちらをご覧ください。

性格は行動からしか分からない

 占いや就活での自己分析でも取り上げられることがある性格。普段はおとなしい性格なのに、ネット上では過激な発言をしてしまったり、恋人の前だとメンドクサイ女になってしまったり…という人も中にはいるのではないだろうか。セルフコントロールができるようになるべく、「本当の」性格は存在するのか、また恋愛が性格に及ぼす影響はあるのか、疑問に思ったマグ捜査員(自分の性格を自分でもよく分かっていない)は早稲田大学文化構想学部小塩真司先生のもとを訪ねた。

 まず、性格は学術的にどのように定義されるのか伺った。

「外交性や調和性という『性格』は、特定の状況で生起する行動の集まりのことです。つまり、ある行動を生起しやすい人は他の行動も生起しやすい。その行動と行動の関連の背後に共通して仮定される個人内の要因を『性格』と呼んでいます」(小塩先生)

 なるほど、性格というと内面的なものと理解しがちだが、行動と行動の関連性と考えるのは意外である。

 では、性格は成長に伴い、変化することはあるのだろうか。

「性格の変容には環境要因が大きく関わるため変化する可能性はあります。例えば、外国に行って帰ってきたら、がらっと性格が変わることなどはよくありますよね」(同)

 前述のとおり、性格は特定の行動の集合の背後に仮定される概念である。そして、目に見える行動は性格などの個人内要因と環境との相互作用の結果生じるものである。先生曰く、赤ちゃんの場合、「性格」は「気質」と呼ばれ、生まれてから数日でその個人差は観察される。この個人差は遺伝的要因が大きいと仮定されるそうだ。よく言われる「人が変わる」というのは本当だったのだ。
 では、近年SNSの広がりにより、リアルとネット上で違う人のように見える人が多くなっていることはどのように考えればいいのだろうか。

「SNSには種類があるので、状況差が生まれます。その状況差によって性格は変わります。例えばFacebookは実名登録で、公開範囲が決められているため、ある程度プライベートなことも書けます。Twitterはサブアカウントを作ることもでき、アカウントごとに話すことを使い分けることができます。しかし、SNSには当然リアルと同じ人が書き込んでいるので、普段の様子とSNS上とで関連が全くなくなることはありません」(同)

 確かに、SNSでのアカウントが実名か偽名登録なのかによってなんとなく発言を選ぶことは無意識のうちにしているのかもしれない。
 恋愛によって性格が変わるのかについては、恋愛と性格に関連があるのかはっきりと断言できないのだそう。しかし恋愛の相性には性格の近似性(どれほど似通っているのか)は大きな要因といえる。

 では、個人的にメンドクサくなってしまうのは女の子ばかりに感じるのだが、性格には男女で根本的な違いはあるのだろうか。

「様々な性格評定を見る限り、アメリカやヨーロッパと比べ日本はものすごく男女差が少ない国と言えます。例えば欧米だと自尊感情は明らかに男性の方が高いです。しかし日本では自尊感情は男女で同程度か、むしろ女性のほうが高いくらいです。このことは文化的圧力があるのかもしれませんが、日本のほうが意外と男性の方が強くなくてはいけないというようなこだわりが少ないのかもしれません」(同)

 昔から日本の男性は一家の大黒柱として強く、対して女性は控えめというイメージを持ちがちだが、むしろ日本の男性の強さにこだわりがないのは驚きだ。男女差があまりないということは、恋愛において男だから、女だからといったことはあまり意味のないことのなのかもしれない。大事なのはその人がどのような人か、ということに帰結しそうだ。
 最後に性格は意識的に変えることができるのだろうか。もしできるのならば、どのような方法があるのか。性格を変えるためのありがたいアドバイスをいただいた。

「性格を直そうとするには行動を変えるのが一番です。でもなかなか行動って変えられないですよね。性格を変えたいと思った場合は、報酬や罰を与えるなどして無理矢理にでも性格を変えて貰えばいいんです。自分の過去を振り返った際に、『ああ、自分ってこういう人間なんだな』というのを自己認識だとするならば、過去を振り返った時に自分の行動が変わっていれば、『ああ、自分ってこういう面もあるんだな』と思う。すると、自己認識は変わる。自己認識が変われば、次何か目の前に現れた時のチョイスが変わります。そういうサイクルを自分で作ることが大切です」(同)

 性格を変えるにはまず行動を変え、そして自己認識を変えていくことが大切である。性格は行動でしか推測することができないが、変わるには自分の意識改革から。何かと忙しい大学生活で自然と自堕落になっていってしまいがちだが、当方マグ捜査員も行動をまず変えることから始めていきたい。
(文=濱名満智)

小塩真司(OSHIO ATSUSHI)
早稲田大学文化構想学部現代人間論系教授、大学院文学研究科心理学コース教授。専門は発達心理学、パーソナリティ心理学で、人間の心理学的個人差とその発達を主な研究テーマとしている。主な著書は『自己愛の青年心理学』(2004年、 ナカニシヤ出版)など。

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