大学生、一限に行こう! 朝しっかりと起きる方法とは!?

2015年10月15日 記事の公開日時 5:00 pm

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大学生、一限に行こう!  朝しっかりと起きる方法とは!?
 
 

この記事は2015春号に掲載されています。
詳しくはこちらをご覧ください。

間に合う時間に起きられない…

大学生になってからというもの、飲み会やバイト、テレビなどで夜更かし…。結果的に朝起きることができない、という人は多いのではないだろうか。そして一限の講義に出席できない。しかし、大学生たるもの講義に出席できないというのは大変由々しき事態である。そこで、自分の生活を見直して一限に出席したい…! そう改心したマグ捜査員(寝起きの機嫌最悪)は、睡眠について研究されている早稲田大学の岡島義先生に睡眠と覚醒について伺った。
 二度寝をすることで朝バタバタしてしまうマグ捜査員は、まず二度寝を防ぐ方法について伺った。

「二度寝や朝の気だるさは睡眠不足と『睡眠慣性』によって起こります。この『睡眠慣性』とは、簡単には覚醒後に1時間程度続く眠気をもたらすものです。人間にとって最も良い目覚めは、この『睡眠慣性』の起きない目覚めです。つまり朝、刺激を与えることなく自然に目覚めるのが一番良いんですね」(岡島義先生)

 起きてからもぼ〜っとしてしまい、なかなか行動に移せないあのだるさは「睡眠慣性」から来るものなのか。しかし、忙しい大学生にとって自然に目覚めるような睡眠をとることは難しい。そのためにポイントになってくるのがこの「睡眠慣性」だと先生は言う。

「朝起きる際には『睡眠慣性』をなるべく抑えた起き方が大事です。目覚まし時計で起きた後には、コーヒーなどでカフェインを摂ったり、軽い運動をしたり、目に日光を取り入れたりすることで『睡眠慣性』による眠気からからより早く抜け出せます」(同)

 目から光を取り入れることも重要で、具体的には覚醒後二時間以内に三十分以上日光を浴びるとメラトニンという眠気を司る物質の量が下がり、体が活動モードになるのだとか。では、逆に寝る前にできる工夫というのはあるのだろうか。

「寝る前に、なるべく覚醒を促すような刺激を排除した環境作りを意識しましょう。例えばLEDなどの強い光、興奮するようなテレビ番組、続きが気になってしまうような友人とのやりとり、家族や恋人との喧嘩などは避けた方がいいです(笑)。またお風呂は入った後、一時間程度は覚醒を促してしまうので、注意が必要です」(同)

 寝る前には、睡眠に移行するためのリラックス時間が必要。そのため入眠までには帰宅後早くても1〜2時間はかかる、ということを意識して睡眠時間を確保することが重要である。ちなみに、睡眠を促すようなBGMは入眠の際のリラックスには効果的だが、睡眠中には音によって意識に上らない覚醒を促して、質の悪い睡眠にしてしまう可能性がある。睡眠中にBGMは切れるようにしておかなくてはならない。
 しかし、ここで疑問になってくるのが睡眠時間。そもそも、しっかりとした睡眠とはどのような睡眠なのだろうか。

「質の高い睡眠の条件は、途中の覚醒がない睡眠で、かつ起きてから日中眠気によってパフォーマンスが損なわれないことが挙げられます。適正な睡眠時間は人それぞれで、長い睡眠時間を必要とする人と、そうでない人がいます」(同)

 ちなみに、適正な睡眠時間は加齢とともに減るのだそうだ。適正な睡眠時間は人それぞれだということは、よく言われる「90分の睡眠周期」が当てはまらない人の方が多いということである。そのため、自分の適正な睡眠時間を知っておくと良いと先生はアドバイスする。
 ところで、睡眠に食事はどのように関係しているのだろうか。

「10~12時間の絶食後の食事によって胃の体内時計(抹消時計)がリセットされると言われています。睡眠に関しても体内時計と別に睡眠周期を司る中枢時計が存在しています。そのため両者を合わせると日中のパフォーマンスは良いと想定されます。具体的に言えば朝食をしっかりと取ることは、日中の活動にも睡眠にも好影響を及ぼすということですね」(同)

 急いでいる時は朝食も摂らないことがあるマグ捜査員は頭を抱えた。やはりしっかり朝食を摂り、夜食を摂らずに寝るという生活スタイルの確立をしなくてはならないようだ。
 そして岡島先生はこれから社会に出る大学生だからこそ、睡眠について改めて考えて欲しいと言う。

「大学生は、夜間のアルバイトに勤しむ人が多いと思いますが、このような生活を長く続けていると,いざ就職したときに,夜は眠つけず朝は起きられない体質になってしまいます。アルバイトは昼間にし、夜はしっかり寝て、社会と同じ時間の生活をして欲しいです。睡眠を削るとパフォーマンスが落ちるので、睡眠と自分のやりたいこととの折り合いをつけて、睡眠をある程度確保するというバランスを重要視して欲しいと思います」(同)

 不足分を補う、長時間の睡眠は可能だが、寝溜めはできない。このように、なかなか都合良く人間の体はできてはいない。皆さんにも自分の睡眠を含めた生活についてこの機会に再考していただきたい。
(文=藤田慧)

岡島義(Okajima ISA)
早稲田大学人間科学学術院助教。専門は不眠症,うつ病,不安障害に対する認知行動療法。主な著書に『4週間でぐっすり眠れる本:つけるだけで不眠が治る睡眠ダイアリー』(2015年 さくら舎)、『不眠の科学』(井上雄一・岡島義 共著2012年 朝倉書店)などがある。

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