自己表現、あなたは得意ですか?

2016年3月7日 記事の公開日時 5:00 pm

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この記事は2016冬号に掲載されています。
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緊張だけが全てではない!

 
自分を表現することを得意な人と苦手な人の違いとは何なのだろうか。就職活動の面接や、学校の授業において、自分を表現する機会(自己表現)が誰にでも訪れるが、自己表現が苦手だと言う人は多い。どうすれば自分を表現することを得意にできるのか、疑問に思ったマグ捜査員(緊張しやすい)は早稲田大学人間科学部の山蔦圭輔先生にお話を伺った。

まず、山蔦先生は、自己表現が得意な人と苦手な人の緊張の受け取り方について話してくれた。

「自分が評価をされるという状況であると、他人からの目を気にしてしまい、緊張感やアガリにつながっていくと思います。しかし緊張感を強く感じるという人がいる一方、あまり感じないという人もいる。ではなぜそのような違いが出るのかというと、他人から評価されることをどのように受け取るかということにかなり影響されているのだと思います」(山蔦圭輔先生)

つまり、自己表現が苦手な人は、他者からの目を気にするがあまり緊張してしまう。しかし他者からの目線を全く気にしないということは難しい。では、自己表現を苦手とする人が少しでも得意になるにはどうしたらいいのだろうか。

「例えばプレゼンでは自分が何を言うか事前に練習しておくことが有効でしょう。どのような言葉を使うのかを、頭の中で一旦整理しておくことで、本番への不安を軽減出来る。他には、力をぐっと入れて抜くことで筋肉を弛緩することや、緊張をほぐす呼吸法、また大好きな写真などの、自分にとってのお守りをことも持つことも有効だと思います」(同)

山蔦先生曰く、お守りは緊張したときに見て、そしてほっとする感覚を身につけ、習慣とするといいそうだ。これならマグ捜査員でも気軽に実践できそうである。

しかし、いくら自己表現が得意な人でも、緊張をしないわけではないと山蔦先生は語る。

「緊張の度合いは経験の有無に現れることが多い。経験が蓄積されるに従って徐々に慣れていき、緊張もしなくなっていく。表現も豊かに、上手になっていく。大切なことは、最初の一歩を踏み出す勇気なんでしょうね」(同)

自己表現が得意な人でも必ずしも緊張しないわけではないことに驚いたマグ捜査員。しかしそれを聞いて安心した。緊張しているのは自己表現が苦手な人だけではない。要は経験なのだ。
経験が自己表現の上手さに影響するとのことだが、山蔦先生はよりよい自己表現をするポイントとして、自己理解をあげた。

「自分がある状況に置かれた時に、どのような気持ちになり、どのような行動をするのかを振り返ってみることが大切です。より深い自己理解が、結果としてより良い自己表現につながっていくのだと思います。日々の生活に忙殺されていると、なかなか自分を省みる余裕もないかもしれないですが」(同)

なるほど、自分自身のことをわかっていないと自分自身に振り回されてしまうだろう。しかし、自己理解をする上で、自分の欠点ばかり気になってしまって気がめいってしまうことがあるかもしれない。そんなときはどうすればよいのだろうか。

「自分で認めたくないようなところは人間だからあって当然です。そこで自分はダメだなと思う部分だけを見てしまうのではなく、良い部分も見るようにすることが大切。自分で認めたくないダメなところも受け入れ,良いところもあると認めるバランス感覚を持つことが大切」(同)

なるほど自分自身を冷静に見直し、深く理解する。そしてその環境などに慣れ、経験を積めば、自己表現が苦手な人でも徐々に得意になれるのだろう。確かに自分を省みる時には自分の短所ばかりに目が向いてしまうかもしれない。しかし繰り返しになるが、より良い自己表現、自己理解のためには、まず自分の欠点を認めつつ、自分の長所を見つけることが重要なのだ。

(文=藤原結来)

山蔦圭輔 (Yamatsuta KEISUKE)
早稲田大学人間科学部准教授。専門は、臨床心理学・カウンセリング・心理教育・教育心理学。主な著書は『こころの健康を支える 臨床心理学』(2012年 学研メディカル秀潤社)など。reme(リミー)という無料で臨床心理士と社会をつなぐウェブコミュニティサイトを監修している。

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